2007年の日本映画。レンタルDVDで見ました。
痴漢冤罪の現状に基づくフィクション作品。
日本の刑事裁判システムの歪みが痛いくらいに示され、
2時間半という長さを全く感じないくらい、引っ張り込まれました。
非常に興味深いけれど、見ていてあまり楽しくない映画です。
でも、かなり衝撃的です。
作品の真実性については、素人には判断しづらいですが、
ネットなどで調べた範囲では、真実性に対する反論はあまりなさそうですね。
脚色・演出はあれど、議論のきっかけになれば成功でしょう。
さて、
冤罪の最良かつ唯一の回避方法が、
現場から離れる(逃げる)しかないという現実。
それは結局、実際の痴漢が普通に取る行動なわけで、
ということは、
実際の痴漢は逃げるので逮捕される確率が低く、
痴漢をしていないと自信を持って、その場に残った人は、
反論は一切聞き入れられずに、逮捕・拘留されるため、
有罪になる確率が高いという、
結果的に、犯罪抑制型ではなく、
犯罪推奨型・犯罪放置型のシステムが出来上がっています。
警察、検察、裁判所のスクラムで、そうなっているようですが、
わざとやっているというよりは、
社会を良くすることに対して、ほぼ無関心で、
目先の点数稼ぎが最大の関心事であるところが原因だと思われます。
本作品では描写はありませんが、彼らは、点数稼ぎのために、
痴漢被害者が「違うかも知れない」と何度言っても聞き入れず、
「後戻りはできない」などと、なかば脅迫することもあるようです。
(ソース:
夕刊フジ特捜班「追跡」~痴漢冤罪の恐怖~あなたも犯人に)
もはや痴漢被害者ですら、彼らにとっては、点数稼ぎの道具の一部と推測されます。
まったくもって、わかりやすいのが、彼らの唯一の取り柄と推定されます。
その唯一の利点を活用して、社会利益に還元すべく、
彼らの最大関心事である点数稼ぎのベクトルと、
社会が良くなるベクトル、
この2つのベクトルの向きを、
逆向きから同じ向きに変えてあげれば、
社会が劇的に変わるのではないでしょうかっ?!
(これは大発明かもです。)
(で、以下は誰でも考えつくことですが・・・)
痴漢事件は単発で見れば、性犯罪の中でも最も軽い部類だと思いますが、
問題なのは、非常に常習性、再犯性が高いこと、および、
その過程でエスカレートする可能性があることだと思います。
さて、審判が見ていないときに起こったいざこざに対して、
一方の選手に対して、一方的に一発レッドカード(逮捕・有罪)を出せば、
もはや試合(社会)は壊れて収拾が付きません。
状況によって注意またはイエローカード(記録)どまりにしておき、
累積イエローカードはレッドになるような仕組みを作れば、
常習性の高い痴漢犯罪の特性と非常に良くマッチングします。
常習者は捕捉されて、冤罪は激減し、
場合によっては、イエロー累積による抑止効果も期待できるかも知れません。
試合をコントロールするとはこういうことですよね。
まとめますと、
そこらへんに転がっている国民のアイデアをうまく集めて、
うまく仕組みづくりをしてあげて、
彼らの点数稼ぎのベクトルが社会が良くなるベクトルと
うまく同じ方向になるように設定してあげること、
またすぐに方向がねじれてくるので、その都度直してあげること、
これがポイントだと思います。
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