1954年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで見ました。
1952年に原作が発表されて以来、現在に至るまで、
反戦映画の代表作として、映画、TVドラマと
数多くの映像化がなされている作品です。
今まで、どの作品も一度も見たことがなかったので、
中でも評価が高く、終戦の余韻が残る中で最初に映像化された、
本作を鑑賞することとしました。
小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、
時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、
フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、
思わずため息がこぼれます。
しかし、長い作品です。
二時間半という時間が非常に長く感じられました。
前半、子供たちに、子供らしさを演じさせてしまっていて、
本来子供が持っている自然な生き生きとした勢いが感じられず、
これが、延々と続くので、参ってしまうのです。
後半、教え子達も戦争の波に巻き込まれていくのですが、
淡々と巻き込まれていく様子が、淡々と描写されていく感じです。
個々の悲劇に対する感情移入よりも、
元教師から見た若干俯瞰的で、間接的な描写で、
冷静に戦争の無情さを表現しているのは、よいと思います。
後でキャストを確認したときに、天本英世や清川虹子、浦辺粂子など、
後の妖怪級が何気なく出演していたことに気づき、
それが一番の驚きでした。まったく気づかなかったので。
二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]