映画
1987年のアメリカ映画。レンタルDVDで見ました。
J・G・バラードの原作小説は未読です。
舞台は1941年から1945年までの上海。
主人公は上海租界に住むイギリス人少年で、
ゼロ戦の模型を肌身離さず身につけている飛行機っ子。
イギリス人居留地に日本軍が侵攻した際に、
避難民の群れに流されて、少年は、両親と離れ離れになってしまい、
そこから少年のサバイバルがはじまります。
最終的には日本軍が管理する民間人収容所?に収容されますが、
貧しいながらも、食料と安全と行動の自由がそこそこ与えられており、
その中で、したたかに成長していく少年の体験記となっています。
連合国側の立場でありながら、日本に対して敵国としての先入観のない少年による
戦時の記録という意味で、他にあまり類がなく貴重だと思います。
また、上海租界の街の雰囲気、群集シーンの迫力など映像は見ごたえがあります。
だが、しかし、エンターテインメントとして、あまり面白くないのですよね。
それぞれのエピソードをうまく束ね切れていなくて、推進力がない感じです。
日本軍人役を伊武雅刀やガッツ石松など日本人が演じているなど、
それなりにリアル志向の作品で、
日本人以外が見てもなんら違和感はないのでしょうが、
それでも日本人が見れば、おかしな描写が多々あり、
それはそれで楽しめます。
太陽の帝国 特別版 [DVD]