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2012年 04月 01日
サムスン栄えて不幸になる韓国経済 【印象度:75】
2011年発表。

サムスンの躍進がニュースとなることも多いので、
そのからくりについて、ちょっと知識を入れといたほうがよいかなと思い、
本書を手にしました。

まず、タイトルにサムスンとあるものの、
本書はサムスンについての研究書ではないです。
巨大財閥優遇の韓国経済政策の象徴として名が挙げられているだけです。
サムスンが倒れれば韓国が倒れると言われているくらいで、まあ適切かと。

実際のテーマはアメリカ型資本主義vs日本型資本主義です。
1997年のアジア通貨危機により、韓国経済は破綻し、
アメリカが実権を握るIMFの管理下に入ります。
そして、救済の条件として、
これまでの日本型の消費者至上・企業過当競争経済モデルを
曲りなりにも手本にしたていた状態から、
アメリカ型の株主利益至上・超巨大企業寡占経済モデルへの急転換を
強いられることとなります。
短い期間で双方の経済モデルを経験をした隣国を、格好の生きた題材として、
果たしてどちらの経済モデルが国民を幸せにするのかを問う趣向です。

大きなテーマ設定なので、
マクロ経済の各種統計値や指標を読み解くことで論が展開されていきます。
フィールドワーク的なアプローチではないので、
そちらを期待すると肩すかしを喰らうことになるかも知れません。

中では、アメリカ社会についての面白いエピソードが紹介されています。
印象に残ったものを2つほど。
(私の中で咀嚼して、かなりのデフォルメを施していますので、要注意)

1つめは、ビッグスリーの一角GM(ゼネラル・モーターズ)が、
石油会社などと組んで、全米各地の路面電車を買収して廃止することで、
電車の10倍近くエネルギーを消費する移動手段を定着させ、
自動車がなければ職にありつけない社会を仕立てあげ、
貧困層(富裕層)の固定化をうまいこと成し遂げたという成功事例です。

2つめは、訴訟社会アメリカでは、訴訟リスクのため医療費が異常に高騰し、
民間の医療保険会社も高い医療費を負担させられたらたまらんと、
患者が本当に必要なときに保険金を支払わないで済む制度設計に余念がなく、
結果、貧困層は医療保険に入らず、
命に関わる病気やけがをしても、医療を受けることができないしくみになっています。
弁護士や医者などが、結果的には貧困者の命と引き替えに儲かるしくみを
うまいこと構築したという成功事例です。

以上は、まさにアメリカンドリームという感じで、
機会があったら、人に話したくなるエピソードです。


それに引き替え、韓国に関する面白いエピソードがほとんどない気がします。
韓国の巨大グローバル企業は、
政府のウォン安政策によって、国内で安い労働力を調達したり、
法人税の優遇を受けたり、
寡占状態の国内市場で、商品を高い値段で売ったりして、
それらを原資に海外で価格攻勢を仕掛けます。
それにより、巨大グローバル企業は莫大な利益を誇ることになりますが、
軒並み外資比率が高く、配当として利益の多くが外資に流れます(※1)。
IMF介入を機に、外資が韓国の経済システムを通じて、
韓国国民から搾取するしくみをうまいことつくったということですが、

まあ、このような話は、あまり新味がなく、何か湿っぽくて、
あまり人に話したいという気分にもなりませんね。

ここからは私の穿った見方ですが、アメリカの資本が通貨危機を機に、
韓国巨大企業の株を買いまくり、IMFに韓国政府を支援させて、
その見返りに韓国政府を通じて韓国巨大企業に資金や優遇政策を施させ、
韓国巨大企業を通して日本企業から技術や利益を奪うような構図になっていて、
日本はアメリカに次ぐ2番目のIMFへの出資者でありながら、
その資金は死に金どころか、自分の首を絞めるのに一役買っているという。
しかもIMFとは別枠で韓国に直接援助してたりするから何だかなぁという。
仇で返されるのがわかりきっている援助というのは一体何なんでしょうかね。

※1.サムスン電子の配当利回りを調べてみると、0.4%程度と決して高くありません。
あれっ、大したことないじゃんと思ってしまいました。しかし、よく考えてみると、
配当が高ければ、配当利回りが収斂する方向で、株価自体が値上がりするので、
外資は配当だけでなく、株価上昇による莫大な含み益をも得ていると思われます。
莫大な含み益が分母側に回っているというのがミソで、危うくだまされるところでした。

サムスン栄えて不幸になる韓国経済
by camuson | 2012-04-01 19:30 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
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