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2016年 05月 18日
走ることについて語るときに僕の語ること 【印象度:86】
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走ることについて語るときに僕の語ること 【印象度:86】_e0020682_17464449.png

2007年発表。電子書籍版を読みました。

2014年の富士山マラソンだったか、長井マラソンだったか、
会場に向かう電車内で近くに座っていたランナー仕様の人が読んでいた本が気になり、
後日、うろ覚えのタイトルをネットで検索したところ、
村上春樹の著書だとわかったものの、
電子書籍版がなく、読むのをあきらめていたのですが、
この度、電子書籍版が発売されていたのに気付き、晴れて購読しました。

村上春樹は学生時代に初期の作品は殆ど読んだと思います。
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
だけは別格に面白く、強く心に残っているのですが、
他の作品は、今となっては内容を殆ど思い出せないし、
断片的に記憶に残るシーンも、さて、どの作品のものだったかというような状況です。
読みやすいし、読んでるときは、それなりに面白く読んでたはずなんですけどね。
エッセイも読みましたが、こちらはイマイチだったような。
ユーモアにキレがあるタイプじゃないのでね。


と、前置きが長くなりましたが、
本作は、村上春樹が走ることについて語ったエッセイです。

タイトルからして、回りくどいわけですが、
書き出しから春樹節全開で、なんだかまどろっこしい感じがして、
やれやれと思いつつ読み進めたわけですが、


ただ単に走ることについて語っているわけではなく、
走ることは人生のメタファーであり、
作家活動のメタファーでもあるわけで、
走ることについて語りつつ、
作家村上春樹について語っていることに気付くと、


もうこれは、村上春樹にだけしか語れない内容で。
それと同時に、ランナーとして共感せざるを得ない内容で。
特に執筆のペースコントロールなどは、プロだなとうなってしまいました。

村上春樹が自分を語る道具立てとして、
本作は、奇跡的にハマッているなと感じました。
とても貴重な作品だと思います。

追伸
春樹氏が雑誌の企画で、アテネ~マラトン間を走るという無茶をやった時、
その間、路上で犬3匹、猫11匹の死骸に遭遇したとのことです。
さすが、ギリシャですね(笑)
日本にいたら想像だにしないことなので、やってみるもんだな(ニヤニヤ)

「Pain is inevitable. Suffering is optional」覚えときます。

春樹作品も電子化されたら、いくつか読みたいなと思っています。

まどろっこしいタイトルは、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること
(What We Talk About When We Talk About Love)」
にちなんで付けられているそうです。


走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
by camuson | 2016-05-18 21:28 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
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