映画
2015年のアメリカ映画。レンタルDVD。
富士山麓の青木ヶ原樹海の奥に進むマシュー・マコノヒー。
樹海に入り込み、適当な木の根元によりかかるように座り込み、
永眠場所と見定めて睡眠薬を飲む。
しかし、樹海の出口を求めて彷徨う渡辺謙に出会ってしまう。
仕方ないので、助けるために、来た道を一緒に引き返すが・・・
渡辺謙を樹海から脱出させるべく引き返してみたものの道はなく、
男2人、崖から落ちて大けがしたり、死体をあさったり、
キャンプファイアをしたりしつつ、彷徨うことになります。
その間マコノヒーの回想として、
妻ナオミ・ワッツとの冷え切った関係などが描写されていきます。
回想するたびに、回想内の時間が進み、
自殺を決心する瞬間まで辿り着くという構成です。
作品の雰囲気は嫌いではないですが、
ちょっと全体的に、技巧が勝ち過ぎてしまったなという印象です。
ナオミ・ワッツが美人なんだけど、すごくヤな奴で、見ててすごく不快なんです。
それだけ演技力が高いと言えるわけですが、
そこまで不快なら、普通別れるだろうという領域に入っていて、
なかなか、共感できないのですよね。
ちょっと普通じゃない男女関係を描こうという作家の意図が透けて見えました。
回想にて、マコノヒーの自殺動機に繋がる悲劇に至るシーンが、
1つ目のクライマックスになります。
悲劇が起こるであろうことはあらかじめ予想できるので、
その瞬間が読めてしまいました。
来るか来るかと思ってたところ、ほんとにやりやがりました。
日本人(日本語話者)だけが気付くことが可能な伏線が仕込まれてます。
この伏線が明かされるシーンが2つ目のクライマックスになります。
気付けなったので、なるほどなとは思ったものの、
これも後で考えると技巧が勝ってしまっているなと思いました。
一応、渡辺謙が何者であるかの鍵にはなっているのですが、
切れ味はイマイチです。
違和感を覚えるような伏線のため記憶に残りやすいという効果はあるものの、
その効果が日本人限定であることを考えると、あまり意味はなく、
いっそ違和感のない”緑”などの方がよかったと思います。