書籍
2017年発表の短編小説。電子書籍版。
kindleランキングで上位に上がっていたので購読しました。
辻村深月は「ツナグ」以来2作目です。
主人公は小学校に勤める中年女性教師。
男性アイドルグループの1メンバーが、
母校の小学校を訪ねてやってくるという設定。
(優等生風で、嵐の櫻井翔、NEWSの加藤シゲアキあたりが思い浮かびました)
主人公は、そのメンバーの弟の担任だったことがあり、
メンバーには図工を教えていましたが、
直接の担任ではないので深くは関わってなく、
当時を振り返るに、「パッとしない子」という印象・・・
続きは作品をご購読ください。
パッとしない子 (Kindle Single)アイドルが母校を訪ねるという、
テレビ番組の企画としてはありがちで、
誰でもその場面を思い浮かべることができるものの、
その場に立ち会う可能性は限りなくゼロに近いという
設定の選択が絶妙です。
和やかな雰囲気からの反転が見事です。
何気ないふるまいや、やりとりが、
自分の意図とはまったく違って伝わる可能性があるというテーマです。
まずは、その乖離具合に驚愕してゾッとし、
内側像と外側像が、徐々に重なっていくところで背筋が寒くなりました。
これは、ホラーですね。おばけじゃない分、怖いです。