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2018年 02月 12日
乱れからくり 【印象度:92】
書籍
乱れからくり 【印象度:92】_e0020682_11002351.png

1977年発表の小説。電子書籍を購読
ミステリの傑作として話題に挙がることが多かったのですが、
(「イニシエーション・ラブ」の作中、主人公オススメ推理小説としても登場)
電子書籍化されていなかったので購読を見送っていました。
気付いたらいつもまにか電子書籍化されていたので購読しました。

泡坂妻夫は「しあわせの書〜迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術」以来2作目です。


まずは、若い男の主人公のボスにあたる30過ぎ女の
強烈なキャラの毒に、やられてしまいました。

今どきこんなおっさん臭いしゃべり方をする人間は男でもいないと思います。
性格も竹を割ったように真っ直ぐ大ざっぱで男らしく、
柔道の有段者で、肉付きはかなり良いのですが、
顔はビスクドールとかいうフランス人形に似てるらしく、
中身とガタイと顔のギャップがヒドいです。

この女の推進力が凄くて、主人公も振り回されるわ、
読者も引きずり込まれるわといった感じです。

とある小さな玩具メーカーで起こる連続殺人事件の話。
主人公と女ボスも捜査にかかわります。


捜査の過程で、からくり玩具に関する知識にも触れることになるのですが、
たまたま同じ事務所を間借りしているオッサンの玩具業界に関する知識の精緻さたるや。
たまたま通夜を取り仕切った坊主の東西のからくり屋敷に関する知識の広さたるや。
現実世界には絶対にいないような人たちですが、これはこれで楽しめます。



さて、本筋についてですが、
私は令嬢殺害の凶器が発見されたところで犯人に気付きました。

犯人を特定できるような情報がほとんどないので、
あまり推理せずに、玩具に関する多岐にわたる蘊蓄や、
キャラクターのドタバタを楽しんでしまって、
気付くのが遅れてしまいました。

一度気付いたら、この人以外に考えられないという人物なので、
なるほどと感心して、一気に体に血が巡り、ボルテージが上がりました。
推理小説の醍醐味ですが、伏線とヒントの巧妙な配置設計の賜ですね。


乱れからくり (角川文庫)
by camuson | 2018-02-12 22:55 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
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