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2006年 03月 24日
狂骨の夢 【印象度:95】
「狂骨の夢」 京極夏彦 1995.8

ふー、やっと読み終えた。
まとまった時間がとれず、読み始めてから5ヶ月くらい経ってるかも・・・。
月日の流れるのは早いものです。


■ 物語の流れについて ■

前作が「ハコづくし」だったのに対して、本作は「ホネづくし」です。

全般的に地味な印象を受けました。前作、前々作と比べて、主要人物があまり死なないことも刺激が少ない要因でしょうか。あえてその手の刺激に頼らなかったとも言えるでしょうか。

終盤が近づいてきても、話は発散するばかりで、一向に収束する雰囲気がないため、読んでいて若干の混乱とフラストレーションを感じました。

ですが、ご安心を!
終盤に一挙に話が収斂し、謎は解け、たまっていた鬱憤が晴れます。地味な前半で伏線がしっかり仕込まれていたことに気付きます。


■ キャラについて ■

物語の主役、朱美は、飲み屋の粋な女将を思わせるさばけた性格と、記憶障害と幻覚に苦しみ怯える内向的な性格を併せ持ち、不思議な魅力を感じさせます(多分に多重人格が疑われるわけですが・・・)。
しかし、その他の新規登場人物の魅力がいまひとつのように思います。
悩める元精神科医の降旗、悩める牧師の白丘。「悩める」という部分で感情移入がしやすいキャラなので、かなり期待してしまいました。それぞれの専門分野の代弁者として、悩んだ末に何かを掴み、京極堂とわたりあうことを・・・。しかし、実際は与えられた役目をこなすものの、キャラが弱く、京極堂の引き立て役に終わってしまったようで、ちょっと拍子抜けでした。


■ テーマについて ■

さて、本作は「業」が大きなテーマになってるような気がします。
過去を引きずって生きていかざるを得ないという人の業。

「トラウマ」や「大願」といった過去の呪縛によって人生を狂わせていく「人の弱さ」が描かれると同時に、数奇な宿命を背負っても、つつましい日常を生き抜いていく「人の強さ」も描かれているのかなと思います。特にエンディングシーンは「強さ」が感じられて爽快でした。

前作まででは、鮮烈かつ刺激的な非日常が題材になっていますが、どこか遠くで起きた事件という感は否めませんでした。
それに対して、本作では、地味でつつましい日常に溶け込んだ非日常を描くことで、彼岸と此岸のあやうい境界を表現したかったのかなあ、なんて考えたりします。
肉片が鮮烈で刺激的なのに対して、骨片は地味ですが、日常に入り込みやすい素材ですね。

そして人の業、すなわち、過去の記憶や意志の象徴としての人の骨なのかなと。

狂骨の夢 (講談社ノベルス)
by camuson | 2006-03-24 20:27 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
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