2012年 05月 12日
2009年発行。
特に猫好きでもないし、飼ったこともないですが、とても楽しめました。 実話に基づいているのですが、キャラクターの味付け、 役割分担のバランスが絶妙なんですよね。 「よん」と「むー」は、二匹の猫の名前なのですが、 「よん」のとぼけた味を「むー」がうまく引き立てていて、 さらに、それを凌駕する勢いで、 嫁がすごくいい味を出しているのです。 一気に読み終えてしまいました。 ちょっと他にないバランスで面白いなー。 伊藤潤二の猫日記 よん&むー (ワイドKC) 2011年 10月 23日
2002年単行本発行。全2巻読了。
伊藤潤二をちゃんと読むのは初めてです。 梅図かずお風で、絵が凄く上手いです。 なので少々馬鹿げた設定でも、 画力で強引に押し切れてしまいます。 表題作「ギョ」は、 異形のモンスター侵攻によるパニックという、 筋書きはごくありきたりなものですが、 結構吹っ飛んだアイディアが盛り込まれています。 非常に展開にスピード感があるので、 細かい書き込みがもったいないくらいです。 そして、なにより凄いのが、 巻末に収録されている短編「阿彌殻断層の怪」です。 パズルの最後のピースを嵌め込む快感だったり、 テトリスの段クリアの快感だったり。 人間には本能的に穴を埋めたくなる欲求があるわけですが、 その人間の本能的な欲求をうまく利用しつつ、 あまりに馬鹿げた滑稽な、物理的にあり得ない設定を、 描写力でごり押しすることで、 一種異様な凄みが出ています。 ギョ 1 (ビッグコミックス) エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2011年 07月 12日
2001年に単行本化された歴史中編マンガ2編。
作者の単行本化された作品ではこれだけ読み損ねていたようです。 一編目「雪の峠」は、関ヶ原の戦いの後、 常陸の国から出羽の国に転封された佐竹氏のお家騒動。 家内の新旧二勢力による築城コンペ、プレゼン合戦。 それぞれ特徴があり、わかりやすくて面白いです。 戦乱から太平への時代の変わり目をいち早く察知し、 築城の意味を要塞計画から都市計画へと読み替えた 主人公渋江内膳の先見の明には思わずうなりました。 二編目「剣の舞」は、天下一の剣豪、 上泉伊勢守が考案した撓(竹刀)をモチーフに、 弟子の疋田文五郎と女剣士をうまく絡めてストーリーに仕立てています。 ちょっと小山ゆうの「あずみ」っぽいですかね。 岩明均の歴史物はクセになりそうです。 人の狂気と残虐性がちりばめられ、基本シリアスなのですが、 たまに絵やセリフを崩すので、 その落差にとぼけた味わいがあるのですよね。 雪の峠・剣の舞 (アフタヌーンKCデラックス) エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2011年 06月 15日
福沢諭吉と言えば、学問のすゝめ、一万円札、慶應義塾、等々、
あまりに有名ですが、それ以外となると意外と知らなかったりします。 年齢的には、坂本龍馬の一つ上で(龍馬とは面識はなかったようです)、 明治維新期の思想に少なからず影響を与えたようですが、 あくまで学者、研究者、教育者の立場であって、政局からは距離を保っていたようです。 幕末・維新期を扱ったフィクションでも、ほとんど彼を見たことがないような気がします。 有名なのに。 ということで、なかなか人物をイメージしづらい中、 本書は、「学問のすすめ」と銘打っていながら、 その9割は、福沢諭吉の生い立ちの描写となっています。 需要に合わせた大胆な英断と言えますね。 しかも、なかなか要所が押さえられていて、 飽きずに一気に読むことができます。 ビジュアルで示されると、細かいことも容易にスルスルと頭に入ります。 絵も派手すぎず、地味すぎず、適度に愛着がわきます。 この「まんがで読破シリーズ」は、amazonなどの書評を見ると、 アタリ・ハズレが大きいようですが、本書はアタリでした。 今後も、このシリーズは、アタリをうまく引くようにしたいと思います。 学問のすすめ (まんがで読破) エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2011年 06月 11日
まんだらけのカタログ季刊誌に1995年から2006年まで連載され、
2008年に上下二巻で単行本化された作品。 これまた、読み始めたら止まらず一気に読んでしまいました。 著者の10才から25才までの漫画・劇画人生の奮闘を記した自叙伝であり、 それがそのまま劇画の誕生・発展史にもなっているのですが、 それだけにとどまらず、 1945年終戦から1960年安保闘争までの昭和の激動の時代のうねりのさまが、 これに連動して見事に表現されています。 戦後の貧しい時期にあっても、 というか、だからこそ、庶民が身の丈にあった娯楽を求め、 その需要に応えるように、 クリエーターがそこらへんからボコボコと出てくる、 そういった土壌がこの国にはあるということに、 思わず、何か胸が熱くなってしまいました。 主人公のキャラは、著者自身の投影ということもあり、あまり濃くないのですが、 主人公の親父、次兄の桜井昌一、さいとうたかを、出版社経営社の山田兄弟などは、 なかなかキャラが立っていて魅力的です。 桜井昌一は、水木しげる作品に登場する「メガネをかけた出っ歯のサラリーマン」 のモデルとのことです。言われてみればその通りです。 さいとうたかをは、これまでまったく興味がなかったのですが、 本作品内で、なかなか、いいキャラを演じていたので、 まあ、機会があったら作品を読んでみてもいいかもと思いました。 劇画漂流 上巻 劇画漂流 下巻 エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2010年 11月 28日
1976~78年の間、ビックコミックに連載された手塚治虫による大人向け漫画作品。
文庫版を購入して読みました。 手塚治虫の作品で、私の中で強く印象に残っている作品を挙げるとすると、 有名どころになってしまいますが、 「ブラック・ジャック」、「火の鳥」、「鉄腕アトム」あたりでしょうか。 一応少年向けではあるけれども、大人が読むに耐える、 生命に対する深い洞察があり、感動があるところが、 手塚治虫の真骨頂なのだと思います。 で、本作ですが、 ホモセクシャルあり、殺人あり、キリスト教ありという大人向けのダークな内容と 少年向け漫画で手癖になってしまっている可愛らしい人物造形のデフォルメとが、 どうもうまくマッチせずに不協和音を発していると感じました。 主人公の美青年が、神父と関係を持ったりするのですが、 美青年が、やたら股上の深いブリーフを穿いていて、 ロボットのパーツみたいな、鉄の固まりのような尻になっていたりして、 肉体のディテールが発するオーラのようなものの描写を放棄しているためか、 色気が感じられないんですよね。 絵に関して言えば、手塚治虫の特長なので仕方がない面もありますが、 ストーリーやプロットに関しては、 扱っている素材は大人向けなのですが、つくりの荒さが目立ち、 他の珠玉作品群と比べ深みも感じられず、 大人が楽しめるものになっていないと思ってしまいました。 「ブラック・ジャック」や「ブッダ」などの執筆と時期を重ねて、 まったく毛色の違う作品で、タブーに挑戦したことは評価できると思います。 MW(ムウ) (1) (小学館文庫) エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2010年 09月 25日
1983年の漫画作品。
今更ですが、大友克洋の漫画作品は初めて読みます。 単行本1冊の中編ですが、書き込み量が多く、 その線の数に応じて、目が止まりますので、文字は少なめですが、 短い映画1本見るくらいの時間は、かかるような気がします。 無機質な造形に、様々な生活臭が混ざりあった高層団地の空間と、 劇画調のちょっと野暮ったい絵柄が、よくマッチしています。 そんなよくある日常風景の徹底的な破壊描写が本作の肝であり、 後半は、ただひたすらそれを堪能するべし、です。 ストーリーはそれを邪魔することなく、そつなくよくできていると思います。 童夢 (アクションコミックス) エキサイト作品別トラックバックセンターへ 2010年 06月 30日
1972~1973年の漫画作品。ほぼ同時期に製作されたテレビアニメ版と
部分的に設定を共有しているものの、全くの別作品。 今更ながら、新装版全4巻を購入し読了しました。 昔、子供の頃、テレビアニメ版を見たことはありますが、 オープニング・エンディング以外はほとんど記憶に残っていないという状況です。 漫画版の評価が非常に高いことから、読んでみることとしました。 以下、感想です。 これは、永井豪渾身の傑作。 日本におけるダークファンタジー漫画の原点 と言ってもいいかも知れませんね。 西洋の神話や宗教から題材を得ながら、 独自のアレンジで新境地を開いています。 エヴァンゲリオンや女神転生シリーズなども、 本作品の系列になるでしょうか。 この新装版では、冒頭から、人の目には見えないデーモンが蠢く世界を、 絵画と見紛う美麗さで描写しきっていることに、まず、驚かされます。 しかし、次の章からは、マンガチックな永井絵に戻り、 冒頭部分が後から書き足したものであることに気付かされます。 加筆した部分が結構あって、絵のタッチが全く違うので、すぐわかり、 違和感も大きいのですが、 それだけ、作者も本作品に並々ならぬ思い入れがあると言うことなのでしょう。 どちらかというと、後から書き足した部分よりも、 昔の絵柄の方が、勢いがあって、 作者が作品に魂をぶつけてきているのが、ストレートに伝わってきます。 終盤の畳みかけるような怒濤の展開、驚きの連続には圧倒されっぱなしです。 圧倒されすぎて、消化不良のまま、上滑りを感じてしまうところも、 無きににしろあらずです。 時空をも超越した壮大な物語だけに、もうちょっと、じっくりと味わいたかった と思ってしまうのは贅沢な話でしょうか。 ネットで調べると加筆を加えていない完全復刻版(絶版)の方が、 評価が高いようなので、 そちらを中古で購入するというのも手かも知れませんね。 新装版 デビルマン(1) (講談社漫画文庫 な 2-37) エキサイト作品別トラックバックセンター 2007年 10月 20日
gooランキングに
<思い出に残る「週刊少年ジャンプ」の漫画ランキング> (http://ranking.goo.ne.jp/ranking/026/jump_comics/)というのがありました。 結構興味深かったので、以下に結果を転載します。 1 Dr.スランプ 鳥山明 2 キャッツ・アイ 北条司 3 北斗の拳 原作:武論尊、作画:原哲夫 4 DRAGON BALL 鳥山明 5 シティーハンター 北条司 6 キン肉マン ゆでたまご 7 キャプテン翼 高橋陽一 8 ハイスクール!奇面組 新沢基栄 9 ど根性ガエル 吉沢やすみ 10 幽☆遊☆白書 冨樫義博 11 SLAM DUNK 井上雄彦 12 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 和月伸宏 13 きまぐれオレンジ☆ロード まつもと泉 14 聖闘士星矢 車田正美 15 ハレンチ学園 永井豪 16 ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦 17 魁!!男塾 宮下あきら 18 サーキットの狼 池沢さとし 19 ヒカルの碁 原作:ほったゆみ、漫画:小畑健 20 地獄先生ぬ~べ~ 原作:真倉翔、作画:岡野剛 21 はだしのゲン 中沢啓治 22 ストップ!!ひばりくん! 江口寿史 23 侍ジャイアンツ 原作:梶原一騎、作画:井上コオ 24 まじかる☆タルるートくん 江川達也 25 電影少女 桂正和 26 ドーベルマン刑事 原作:武論尊、作画:平松伸二 27 ドラゴンクエスト ダイの大冒険 原作:三条陸、作画:稲田浩司 28 ジャングルの王者ターちゃん 徳弘正也 29 銀牙 -流れ星 銀- 高橋よしひろ 30 ウイングマン 桂正和 以下感想。 <リアルタイム> ジャンプを読んでたのが中学生くらいまでですか。 1~3位はリアルタイムで親近感あります。 この中で単行本まで買ったのは3位「北斗の拳」のなぜか第2巻のみです。 5~8位もそこそこリアルタイムですかね。 6位「キン肉マン」は友達から借りて読んでたので、購入は第10巻のみ。 8位「ハイスクール奇面組」はほとんど知らない。前作「3年奇面組」は3~6巻を購入。 13位「きまぐれオレンジロード」。初期のまどかはとてもいい。途中まで揃えてたと思う。 17位「魁!!男塾」。「激!!極虎一家」と混同ぎみ。 22位「ストップひばりくん」。全巻持ってます。このランキングの中では唯一です。 30位「ウィングマン」。たぶん9巻まで買ってたと思います。 <新しめの作品> 6位「ドラゴンボール」。雑誌で途中の2、3話程度は読んだことがあるかも。友達との会話の中で「スーパーサイヤ人」という単語が説明なく出てきて、それがこの漫画のキャラクターだと知った時にビックリ仰天した記憶がある。使うなよ。まじで。いやいや、まじで。 10位「幽☆遊☆白書」。この作品は読んだことが無いのですが、つい最近、同作者の「HUNTER×HUNTER」の1巻を読んでみました。少年向け王道の冒険物ですが、押しつけがましくない教訓と笑いがバランス良くちりばめられていて、ヒットしているのも頷けました。 11位「SLAM DUNK」。読む動機が全く無いのが残念です。読みもしないのに勝手なイメージでたいへん恐縮なのですが、老婆心ながら、もしも仮にギャグとかがスパイス的に挟まれていたとしたならば、恐ろしく寒そうなイメージ。深夜アニメでやってた宇宙バスケがトラウマになっているだけですが。 12位「るろうに剣心」。海外でやたらヒットした作品なので、1巻を購入して読もうとしているのですが、絵がかわいいからか、なかなか読み進める気にならない。 14位「聖闘士星矢」。ほとんど知らないですね。こちらが歳を取るのに反して、作品の対象年齢が下げられたようで。車田正美は「リンかけ」「風魔の小次郎」までがリアルタイムですね。「リンかけ」は7巻以降は全部持ってます。序盤は友達に借りてたので歯抜け。「風魔」は途中2冊くらい抜けてる。 16位「ジョジョの奇妙な冒険」。社会人になってから(10年くらい前)単行本を大人買い。第5部途中で挫折。 <古めの作品> 9位「ど根性ガエル」。アニメしか知らない。 15位「ハレンチ学園」。これは古すぎる。永井豪は姉貴が「キューティーハニー」の2巻を持ってた。 18位「サーキットの狼」。聞いたことはあります。 21位「はだしのゲン」。ジャンプだったんですか。学校の図書館で読んだ時はハードカバーだったので。 23位「侍ジャイアンツ」。姉貴が1~4巻持ってた。 26位「ドーベルマン刑事」。平松伸二だと私の時代は「ブラック・エンジェルズ」ですね。 私が投票するとしたら、ランキングに上がっていない車田正美の「リングにかけろ」または「風魔の小次郎」、平松伸二の「ブラック・エンジェルズ」あたりですかね。 「リングにかけろ」は前半リアルタイムで追ってなかったこと、「風魔の小次郎」は大きな可能性を秘めながら、作者の私的都合により終盤失速したこと等を考慮すると「ブラック・エンジェルズ」かな。 ただ、この作品も、ホワイトエンジェルズが出てきてからグダグダしてきたので、ラストまで読んでないんですよね。機会があったら読みたいものです。 2007年 10月 19日
「CLAYMORE」の八木教広氏の前作「エンジェル伝説」をちょっと読了してみました。
不思議な作品ですね。最恐フェイスギャグと銘打たれていますが、 いわゆるギャグ漫画というよりは、武闘派学園純情ラブコメとでもいいますか。 「黒田」だけはガチで笑えるキャラですが。 序盤は、オチがパターン化されていて、これはちょっと持たないかなと思いましたが、 右肩上がりに面白くなり、脂ののりきったところで終結。 惜しげもなく、連載を終了し「CLAYMORE」に乗り換えたのは、英断でした。 この作者の場合、この「惜しげもない」が特徴ですかね。 実力がないとできないことです。 終盤の背景の書き込みようは異常。 何かに取り憑かれたような力の入れようですね。 エン伝伝説はじまた。 関連記事 CLAYMORE(クレイモア) ピエタの町のみなさんへ エンジェル伝説 1 (集英社文庫 や 40-1) エキサイト作品別トラックバックセンターへ < 前のページ次のページ >
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