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2010年 08月 31日
4ヶ月、3週と2日 【印象度:85】
2007年のルーマニア映画。レンタルDVDで見ました。
カンヌ、パルム・ドール受賞作品。

予備知識ゼロで見ました。

1987年、チャウシェスク政権下という設定。

学生寮らしきところに住む20代前半?の女子学生二人(ルームメイト同士)が、
なにやら泊まりがけで出掛ける支度をしているところから始まります。

部屋の中は、ぬいぐるみやらのkawaii系グッズなどは皆無で、
無機質で男前です。

さて、泊まり先としてホテルを予約していたのですが、
実際に行ってみると、予約係のミスで予約が入っておらず、
フロントには冷たくあしらわれます。
逆に、前日に予約確認をしていなかったことを責められる始末。
計画経済における供給者側の傲慢さに加えて、利権すら見え隠れします。
余分に請求されたお金はフロントの懐に入ってしまうのでしょう。

そして、映画が始まり30分ほどしたところで、ようやく、
闇医者に闇中絶をしてもらうために、
ホテルを予約したことがわかってきます。
そう言えばネットか何かでみた作品概要に、
妊娠中絶の話って書いてあったなと思い出しました。
勘の悪い私は、ここでようやく、
タイトルと内容を結びつけることができました。

さて、ルーマニアでは、妊娠中絶は違法行為なので、闇市場化しています。
健全な市場であっても医者と患者が対等な関係となるのは難しいと思いますが、
いわんや闇市場をや、です。
ホテル代を支払ってからの価格交渉では、後に引くにもコストがかかり、
供給者側の圧倒的有利な立場により、言い値が通ってしまいました。
仮に金を多く持っていたとしても、やられていたことでしょう。

人間のエゴをコントロールして、推進力として活用しようとする市場経済システム。
人間にエゴはないものとし、資源は計画的、効率的に配分されるものとする計画経済システム。
コントロールされないエゴの醜悪さを、まざまざと見せつけられた気がします。

妊娠をするに至った経緯や相手の男について一切触れないことにより、
想像の余地が非常に大きくなっています。
見た人によって感じ方が著しく異なるであろうところが面白いですね。
他の人の感想を知りたくなる作品です。

私の感想は、
社会システムが悪いのは、重々承知の上で、まあ自業自得かなと。
主人公は、巻き込まれた被害者でもあり、気の毒ではありますが、
妊娠した本人は、胎児を殺すわ、親友を巻き込むわ、
まったく自覚がないので、腹が空いたら飯を喰らうが如く繰り返しそうです。

胎児の父親については、特定できない可能性もあり何とも言えませんね。
仮に特定できるとすれば悪人に間違いありませんが、
この妊娠女に至っては、100人に1人の悪人を100発100中で選ぶような
勢いすら感じられ、同情の余地がありません。
憎めない感じではありますが。
ドジっ娘属性ありますが。
結構好きですがなにか。


映画中で説明はないのですが、ネットなどで調べるに、
当時、チャウシェスク大統領夫人の考案で、労働人口を増やすために、
避妊と堕胎を禁じる政策を布いていました。うん、わかりやすいよ、うん。
結果として、ストリートチルドレンがあふれました。

4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
by camuson | 2010-08-31 23:41 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 22日
リンダ リンダ リンダ 【印象度:92】
2005年の日本映画。レンタルDVDで見ました。

前知識ほぼなしで見ましたが、
お話としては、
女子高校生4人の急造バンドが、
高校文化祭で、
ブルーハーツの「リンダ リンダ」を披露しようと、
猛練習したりするという、
知っていたらスルーしてしまいがちな内容で、

更に、ボーカルは韓国からの留学生という、
駄作街道まっしぐらというか、駄作無双というか、
そんな感じです。


横道にそれますが、
ブルーハーツが流行ったとき、
私はリアルタイムで高校生でしたが、
朴訥な感じがあまり好きにはなれませんでした。
しかし今となっては、唱歌として再評価しているところで、
日本語がはっきりしていて、思わず口ずさんでしまいます。
聴きたくないけど歌いたくなるカテゴリー
における、ひとつの完成形と言えます。


話を元に戻しますが、
冒頭に述べたとおり、駄作臭のきついプロットにもかかわらず、
こんなに面白い映画を創れてしまうというのは、
ちょっとした魔法を見たような感覚です。

各シーンにおいて、人と人との関係により生じる
「空気」であったり、「間」であったりが、
ごくごく自然に再現できてるんですよね。
各役者が下手な芝居をせず、役になりきり、
キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

また、そのシーンが持っている味が出尽くすまで、
ギリギリまで引っ張ってから次に繋いでいくので、
空回りとか、上滑りとかが全くなく、
着実にヒットが重なっていく感じです。

出演者とスタッフ間において、
そういった作品に対する姿勢や意識が、
高いレベルで共有できているのが感じられ、
監督の並々ならぬ才能を感じました。
同監督の別の作品もぜひ見てみようと思います。

リンダリンダリンダ [DVD]
by camuson | 2010-08-22 12:35 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 18日
おろち 【印象度:30】
2008年の日本映画。レンタルDVDで見ました。

梅図かずおの原作漫画は小学生のころ、
たぶん1巻だけ読んだのだと思います。
他は忘れてしまいましたが、
「姉妹」のエピソードはトラウマ的に強烈に記憶に残っています。

さて、本作品についてです。
暑い日が続くので、ホラー作品でも1本と思いセレクトしました。

屋敷の中のシーンが大半で、
セットは、きちんと作っているようですが、
映像として、重々しさ、禍々しさがないというか、
狂気が漂ってないというか、
なので、まったく怖くないんですよね。


あと、尺の都合もあるのでしょうが、
ひたすら間延びしていて、テンポが悪く感じました。
また、おろちの役割がほとんど意味不明です。
おろちが前面に出てきてしまったことで、
恐ろしいエピソードにキレがなくなり、
非常にまぬけに感じてしまいました。

原作と同様オムニバス形式で3つくらいのエピソードを
テンポ良くつなげていけば、それで十分で、
おろちの狂言回しとしての立ち位置もはっきりして良かったのでは?
と思ってしまいますね。

個人的な嗜好の範疇になりますが、
おろち役には、透明感のある美少女を選んでほしかったところです。

また、子役の使い方も、キャストの段階から含めて、
もう少し気を使ったほうがいいのではないかと感じました。
ホラーであれば、子供に下手に演技をさせなくても、
効果的に使うことはいくらでもできるわけで、
スタッフの手腕が問われますよね。


とはいえ、収穫もありました。
映写機で一時停止をすると、
ライトの熱でフィルムが焼けてしまうらしいことがわかったのは、
収穫でした。

収穫のついでに思い出してしまいましたが、
映画の中で、映画を扱うというのも、
新鮮味がない割りに、ハードルだけが上がって、
あまりいいことないような気がするんですけどね。まあ蛇足です。

おろち [DVD]
by camuson | 2010-08-18 18:17 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 18日
雨月物語 【印象度:88】
1953年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで観ました。
溝口作品は初めてです。

戦国時代。
人が集まる町では、節度ある町民たちによって、
繁栄が保たれているものの、
農村は落ち武者の襲撃に会い、
道中は賊が跋扈する混沌とした世界設定。

時代の動乱の中、農村に暮らしながらも、
野心を胸に、動かずにはいられない男たちと、
平和と安定を望む女たちを描いているのですが・・・

最終的に女の生き方の強さを、まざまざと感じさせる作品ですね。
常に焦燥感に駆られて足掻いている男の生き方ってなんなの的な。

あと、とにかく、映像がすばらしいです。

農村から町に向かう道中、船で漕ぎ進む先の霧に煙る水面の幻想的風景。
主人公が迷い込んでしまう、朽木屋敷での妖艶な誘惑。
直接的な表現を排して、なお妖しく艶やかなところは、
海外作品では、なかなか見られない日本映画の真骨頂でしょうか。
シーンのつなぎでの地を這うカメラワークは印象的でした。
また家屋内での、蝋燭を光源とした光と影の繊細なコントラスト。

白黒映画で、これだけ幻想的魅惑的表現が可能なのかと驚きました。
日本映画のスペクタクルに付き物の安っぽさが微塵も感じられないことも驚きでした。
もう、日本映画は新作でも半分は白黒でいいんじゃないかと思ってしまいました。

雨月物語 [DVD]
by camuson | 2010-08-18 00:14 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 16日
ヒックとドラゴン 【印象度:75】
結構評判がいいのですが、公開されている劇場数がそれほど多くなく、
新宿ピカデリーまで出かけてみてきました。
19:10からの回で、子供も少なめで、比較的空いていてよかったと思います。
3D吹替え版で見ました。

巷に溢れる「なんちゃって3D映画」または「偽3D映画」
というものを見たことがないので、
比較するすべを持たないのですが、
本作の3D映像は間違いなくすばらしいです。
アバターに匹敵する3D体感映画と言えるでしょう。

お話は子供向けのものなので、
「子供向けとしてよくできています」以上の感想を持ちませんが、
映像の緻密な作り込みは尋常ではなく、
特に毛の質感をどうやってつくってるのか謎でした。
大人の鑑賞にも堪えうる、そこいらへんのこだわりが、
逆に子供達にゃスルーされかねないと思ってしまいがちですが、
子供相手だからこそ、ほころびがないよう全力を尽くす、
製作者の姿勢に脱帽です。
ま、それだけ儲かるのでしょうが。

3D映画において、
単純なストーリーで、空間を縦横無尽に行き交うアクションを魅せる
というパターンに、早くも食傷気味になってきました。
今後はホラーとか、エロとかが必要でしょうかね。

今回もExpanD方式で見たのですが、コマ割りが半分になって、
動きが激しくなったときに存在感が半減するのと、目が非常に疲れるのとで、
ここらへんが改善されるまでは、当分3Dはいいかなとも思ってしまいました。
まあ、見るとは思いますが。
by camuson | 2010-08-16 10:10 | アニメ | Trackback(12) | Comments(0)
2010年 08月 15日
ドグラ・マグラ 【印象度:94】
たまたま5年ぶりくらいに福岡に出張する機会があり、
移動時間に読み物があったほうがいいなと、
部屋の隅に、読む時間がなくて積んであった本作を、
なにげに鞄に詰め込んだのですが、
たまたま本作が福岡を舞台としたお話だったので、
土地勘をつかむことができ、臨場感が出てちょうどよかったです。

米倉斉加年の表紙絵もあって、
じとじと、おどろおどろしい印象を持っていたのですが、
そういう要素もなくはないものの、
どちらかというと理詰めで、からっとドライな印象を持ちました。

冒頭は、カフカの「変身」の逆パターンといえますかね。
まず、思いのほか、非常に読みやすいことが驚きでした。
1935年(昭和10年)の作品ですので、
なにがしかの古臭さを感じてしまうかと思ったのですが、
独特の言葉選びと、仮名遣い、ルビ遣いによる、
禍々しくも、軽快でくだけた語り口は、今なお新しいです。

ただし、間に挟まった書簡は読みづらいものもあって、
古文が読みづらいのは、いたし方ないとしても、
チャカポコ節が非常に読みづらくて参りました。
三行で言える内容を、無理矢理薄めて、変なリズムに乗せているためで、
人口に膾炙すべく作ったものが、苦役のごとく読みづらいというのも、
正木博士のお茶目な一面をあわらしていると言えるでしょう。

本作品は、「心理遺伝」(生物の後天的経験が遺伝情報として蓄えられる)
の説を取り、それを軸に編成したミステリィ作品といえますが、
構想十余年というだけあって、非常に緻密に構成されているのが伺えます。

主人公「私」による独白がベースになっていて、
その間に、遺書が挟まっているという構成ですが、
早い段階で、作中作として本作「ドグラ・マグラ」が登場することで、
再帰構造となり、無限ループが形成されています。
作中人物、若林博士も、「ドグラ・マグラ」を読んでおり、
これを希代の奇書として紹介するというハードルの上げようです。

主人公も作中で「ドグラ・マグラ」を読むことになります。
ドグラ・マグラ」を眺めた際に、
「何となく人をばかにしたような、キチガイジミた感じのする大部の原稿」
と感想を漏らしますが、これが的を射ており、
(さすが作者なことはあります)
本作を一言で表現しろと言われれば、これに尽きます。

間に挟まれた遺書は、通常の遺書の概念を超えて、
チャカポコ節(阿呆陀羅経)、新聞の切り抜き、他の人の手記、
心理遺伝にかかわる学術論文、狂人開放治療場やら法医学解剖室やらの映像実況、
などを含むため、途中で、一体何を読んでいたのかを見失い、惑わされます。

さらに非常に大きなトリック(だまし)が入りますので、大きく混乱させられます。

しかし、作品を読み終えると、真相いかんに関わらず、
非常に整然と収まるべきところに収まったことに気づきます。


で、まとめに入りますが、
どちらかというと、細胞にじかに伝わる、ぞわぞわとした感覚よりも、
あくまで、脳髄に対して刺激的な作品なのかなと思います。
作品に対する直接的な感動よりも、
よくぞ、これだけのものを創りあげたなぁという、
感心の気持ちが勝ってしまう感じですね。

覚醒後のアスカ弐号機(対量産機)ばりのアクションは圧巻でした。

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
by camuson | 2010-08-15 21:55 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 01日
二十四の瞳 【印象度:60】
1954年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで見ました。

1952年に原作が発表されて以来、現在に至るまで、
反戦映画の代表作として、映画、TVドラマと
数多くの映像化がなされている作品です。

今まで、どの作品も一度も見たことがなかったので、
中でも評価が高く、終戦の余韻が残る中で最初に映像化された、
本作を鑑賞することとしました。

小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、
時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、
フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、
思わずため息がこぼれます。

しかし、長い作品です。
二時間半という時間が非常に長く感じられました。

前半、子供たちに、子供らしさを演じさせてしまっていて、
本来子供が持っている自然な生き生きとした勢いが感じられず、
これが、延々と続くので、参ってしまうのです。

後半、教え子達も戦争の波に巻き込まれていくのですが、
淡々と巻き込まれていく様子が、淡々と描写されていく感じです。
個々の悲劇に対する感情移入よりも、
元教師から見た若干俯瞰的で、間接的な描写で、
冷静に戦争の無情さを表現しているのは、よいと思います。

後でキャストを確認したときに、天本英世や清川虹子、浦辺粂子など、
後の妖怪級が何気なく出演していたことに気づき、
それが一番の驚きでした。まったく気づかなかったので。

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]
by camuson | 2010-08-01 15:22 | 映画 | Trackback | Comments(0)