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2010年 09月 27日
イラク -狼の谷- 【印象度:70】
2006年のトルコ映画。レンタルDVDで見ました。

トルコ映画史上最大の製作費(約1,000万ドル)で、
トルコ史上最大動員を果たし、
アラブ各国でも好評を博したとのことです。

イラク戦争後の米軍によるイラク支配を描いた作品で、
トルコ映画なので、トルコ人が主人公なのですが、
イラク戦争におけるトルコの立ち位置の微妙さ、複雑さを反映してか、
序盤は次々と出てくる登場人物達の関係が把握しづらいです。

そんな複雑で微妙な話が進むのかと思いきや、
後半はトルコ人主人公グループvs米国軍グループの
ドンパチアクションになってしまい、
米国の大衆向け娯楽映画並に分かりやすいことになっていて少し残念です。

米国製の戦争映画とは予算が一桁違いますが、
自爆テロの映像は迫力ありましたし、
特に破綻したところはありませんでしたね。

米兵によるイラン人捕虜の虐待を取り入れて見たり、
覆面過激グループによる人質の斬首事件を絡めて見たり、
当時ニュースとして話題になったことを、うまく取り込んで、
飽きさせません。

この映画に出てくる、米国軍人は、有名な映画の1シーン
「ホント 戦場は地獄だぜ! フゥハハハーハァー」のように、
いつもどおりの通常営業なのですが、
この作品は、なぜか反米映画とされているようですね。
米国以外の国がつくる反戦映画が、反米の認定を受けてしまうというのも
困った話です。

本作品は、米国内では一切上映されず、
米軍関係者は在住地を問わず映画館に近づくことすら規制されたとのことで、
そういう意識過剰な懐の狭い反応は、却って作品に箔を付けてしまうだけですよね。
そもそも他国の映画にも、他国にどう見られているかにも、
良くも悪くも、あまり興味を持たないお国柄でしょうに。

その一方で、作中で米国人役を演じた役者の役者魂には本当に頭が下がります。

イラク-狼の谷- [DVD]
by camuson | 2010-09-27 02:52 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 25日
童夢 【印象度:75】
アクションデラックスなどに1980年から連載された漫画作品。

今更ですが、大友克洋の漫画作品は初めて読みます。

単行本1冊の中編ですが、書き込み量が多く、
その線の数に応じて、目が止まりますので、文字は少なめですが、
短い映画1本見るくらいの時間は、かかるような気がします。

無機質な造形に、様々な生活臭が混ざりあった高層団地の空間と、
劇画調のちょっと野暮ったい絵柄が、よくマッチしています。

そんなよくある日常風景の徹底的な破壊描写が本作の肝であり、
後半は、ただひたすらそれを堪能するべし、です。
ストーリーはそれを邪魔することなく、そつなくよくできていると思います。

童夢 (アクションコミックス)
by camuson | 2010-09-25 13:00 | 漫画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 23日
ねじ式 【印象度:87】
1998年の日本映画。レンタルDVDで見ました。
つげ義春の原作漫画は、確か学生の頃読んだと思いますが、
内容は全く忘れています。

さて、冒頭、何の前置きもなく、
暗黒舞踏(山海塾とか白虎社とかそういう系統)が始まり、度肝を抜かれました。
犬神サーカス団みたいなメイクをした人もいました。
全身土くれの人や、羊膜をドロンとぶら下げた人もいました。
チチとフンドシ、いいよっ!いいよっ!
最近こういうのは、恋のメガラバのPVとか、
映画CASSHERNとかで真似事を見るくらいで、
めっきり見かける機会は少なくなっていますが、
本家は活動しているんですかね。

余談はさておき、冒頭部は主人公漫画家が思い描き、
漫画では表現し得なかったイメージということで強烈ですが、
その後は、一応現実世界に戻って、
ちょっと落ち着いた味のある雰囲気で物語が進みます。

主人公は売れない漫画家で、貧乏に苦しめられながらも、
実は安定・安住をこそ最も恐れ、
恐怖・焦燥と性欲・官能とが混ざり合った
奇妙な心象風景が描かれていきます。
そのバランスが絶妙で、私は好きなのですが、
好き嫌いが分かれそうなところではあります。

大笑いしてしまったのは、
藤森夕子(CCガール)が、主人公の浅野忠信に、
水を引っかけられるシーンです。顔にです。
どうやって、狙い撃ちできているのか、
しくみはよく分かりませんが、
あの開放感は何なのでしょうか?ちょっとやばいですね。

目が描かれた目医者の看板がたくさん出てくるシーンは、
漫画で見たことがあるのを良く記憶しているのですが、
その他は、どこまで原作を反映しているものか、
結局最後まで原作の内容は思い出せませんでした。

原作も探せばどこかにあると思いますので、
見つけたら、読み直してみたいなと思いました。

あと気になったのは、画質が非常に悪いことで、
DVD化の際に手を抜いたのか、元からなのか分かりませんが、
一応芸術家を題材にした芸術指向の作品が、
画質が悪いことで更に間口を狭めてしまっている気がして、
綺麗な風景シーンが多いだけに、ちょっと残念な気がしました。

ねじ式 [DVD]
by camuson | 2010-09-23 23:42 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 20日
めし 【印象度:60】
1951年の日本映画。白黒。レンタルDVDで見ました。
成瀬巳喜男は初めて見ます。
林芙美子の原作は未読です。

サラリーマンの夫のために「めし」をつくる主婦業に嫌気がさして、
実家に帰って、数日間、ごろごろして、頭が冷やされてきたところに、
夫が迎えに来て、元の鞘に収まるという、
まあ、言ってしまえば、たわいもない日常話です。

日本でテレビ放送が始まる1953年より前のことですから、
その後テレビでやるようなホームドラマの需要を
映画が担っていたんでしょうね。

原作ありのホームドラマという時点で、
監督の作家性が出にくいのだと思いますが、
質素なサラリーマン夫婦を上原謙と原節子という
必ずしも役に似つかわしくない映画スターに演じさせているところも、
配役が先にありきの印象を持ってしまい、
監督の作家性が今ひとつ見えて来ないところですね。

ただ、作家性が表に出てこない分、
時代の要求に忠実につくられているように感じられ、
時代の記録として、貴重なものになっているような気がします。
その反面、非常に古臭さばかりが目立って、
時代を超えた何かが感じられないってことでもあるんですけどね。


ここからは余談です。
本作は大阪が舞台になっているのですが、
この時代に、すでに、くいだおれ人形があったのですね。
そういうことがわかるだけでも、なかなか貴重です。

過去の名作を見ると、後でキャストを見たときに驚くことが多いのですが、
本作もご多分に漏れずでした。
日本人離れした目つきをした貧相な若者が大泉滉だったり。
(ヒゲがなかったので、まったくわからなかったです)
脇役が板に付いた青年がいると思ったら、小林桂樹だったり。
(ご冥福を心よりお祈りします)

めし [DVD]
by camuson | 2010-09-20 23:45 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 17日
母なる証明 【印象度:80】
2009年の韓国映画。レンタルDVDで見ました。

非情に、厭な後味の残る、快作ならぬ怪作ですね。
作者の狙いどおりだと思います。

冒頭、荒野でおばちゃんが変な踊りを踊り出したのには、
どうしたものかと思いましたが、
これが後で、どすんと効いてきます。
最初の方は、ベッタベタな笑いを入れてきて、
どうしたものかと思いましたが、
こなれてきて、便器の蓋が当たるあたりではクスリときました。

この作品を見終わった後で、気づかされたのは、
これまで、私は登場人物の生きざまの中にある美学が好きで、
それを見出しては感動して泣いたりしていたのだなぁということです。

本作品の登場人物の行動は、衝動に任せるままで、
自分をコントロールすべく信条を、
美学をまったく持っていないように写るので、
行動は凄まじいのですが、
共感はしないし、カタルシスもない。
あえて共感するとすれば心の闇のみ。
結果、いや~な後味だけが残るのだと思います。

この手の変化球を投げた場合、
ベースの技術がしっかりしていないと、
へなちょこボールになってしまうのですが、
そこのところはしっかりとしていて、
なかなか、うまいです。妥協がありません。

母なる証明 [Blu-ray]
by camuson | 2010-09-17 02:08 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 13日
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 【印象度:80】
1987年の作品。
新興宗教の二代目跡目継ぎ争いを巡る謎に、
ヨガの達人であり、占い、霊術、奇術にも長ける
ヨギガンジー先生と、その弟子二人が挑むサスペンスです。

1987年はオウム真理教が設立された年ですが、
新興宗教が社会的なブームになっていたのでしょうね。
本作品は社会問題を抉るというスタンスはなくて、
あくまで旬の素材として料理している感じです。
楽しくて読みやすく、一気に読むことができました。

この作品の唯一無二の特徴として、とあるギミックが挙げられます。
私は途中で気付くことができましたが、これは面白いですね。
最初から注意深く読んで、作品の構造を頭の隅に置いておけるかが、
分かれ道になりそうです。

話の展開は、ユニークで、想像できませんでしたが、
展開が早くて、面白いのだけれど、あっさりし過ぎている気がしました。

作者の力量は確かなので、少し重たい作品も読みたいですね。

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)
by camuson | 2010-09-13 22:49 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 11日
CUBE 【印象度:95】
1997年のカナダ映画。
ファイナルエディションをレンタルDVDで見ました。

削ぎ落とされていること。研ぎ澄まされていること。
この二点において、質の高さを感じさせる作品です。

90分程度と比較的短い作品ですが、
濃密な緊張を保ったまま、最後まで息を着かせません。

冷徹な法則に従って作動する硬質な箱(CUBE)の連続体と、
その中に閉じこめられた、あまりにも脆弱な人間の肉体と精神とが、
見事な対比を生み、芸術的です。

余計な説明がないことから、
この作品世界を現実世界と捉えることも、
精神世界と捉えることも、
現実世界の暗喩として捉えることも可能です。

私は、この箱(CUBE)を、再現性のない芸術を生むための装置として捉え、
そのデモンストレーションとして本作品を堪能した・・・ような気がします。

CUBE ファイナル・エディション [DVD]
by camuson | 2010-09-11 18:15 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 11日
ル・オタク フランスおたく物語 【印象度:70】
2009年に出版されましたが、
1998年に出された単行本をベースに一部加筆したものなので、
鮮度はかなり落ちています。
ですが、フランスで日本の漫画やアニメが、
どのように広まり、拒絶され、受け入れられてきたか、
歴史を遡った分析なので、特に問題は感じませんでした。
今読んでも充分に興味深い内容です。

著者の本職は軍事ジャーナリストで、SFオタクから軍事オタクに流れ着いたようで、
本書で扱っている(アニメ・漫画の)オタクとは、畑が少し異なります。
しかし、その距離感と、持ち前のデータにこだわる特性がうまく発揮され、
十分な客観性が保たれているように思います。

たまたま、フランスオタク界の重鎮たる人物と知人となり、
いいネタが集まったので、本にしてしまえということなのですが、
その力みのないスタンスにより、
軽めの読み物として成功していると思います。

そのフランスオタク界重鎮の半生の紹介など、横道もいいところなのですが、
これが意外に、フランスの社会やフランス人気質を知るための手がかりにもなり、
それなりに面白いので良かったりします。

ただ、身内話に偏りすぎているので、もう少し広く業界関係者への取材等を絡めて、
全体的なバランスを整えれば、なお良かったとも思います。
加筆部分で少しやっているので、作者自身気づいているのだと思いますが。
その中でフランス人の業界関係者に、
日仏のオタク気質の違いについて聞いているのですが、
なかなか認識がズレていて微笑ましいです。以下にそのいくつかを紹介します。

「日本では、カメラを向けてインタビューを頼むと逃げていく人が多いですね。フランス人なら進んで発言します。フランス人はテレビで自分の意見を主張するのが大好きなんです」
→日本のマスコミは、インタビューしても不採用か、
都合のいい勝手な使い方をするので、相手にされないだけです。

「フランスのオタクはカップルが多いです。日本のようにロリコンとか二次コンはほとんどいません」
→そういうライト層は日本ではオタクと呼ばれていないだけです。

「毎年仕事で『コミケ』も必ず訪れますが、少し息苦しい気がしますね。フランスの方が参加者がもう少しフランクというか、オープンマインドのような気がします」
→日本のコミケとフランスのジャパンエキスポは、
目的も参加者層もまったく違うイベントです。

「まあ、これは日仏の文化の違いでしょうが、コミケなどでは3日も前から並んでいる人がいますが、フランス人ならやらないでしょうね。」
→同上。
一般の日本人もやらないでしょうし。
特殊な人たちが、祭り半分で並んでるのと、
並ばなければ入手できないものがあるからだと思いますが、
こういう場合、フランス人は、並ばずにデモでも起こすということでしょうか?


ある国の異文化に対する接し方を見つめることで、
その国の社会の特徴、国民性が炙り出されてくるところが、
非常に興味深く、面白かったです。

ル・オタク フランスおたく物語 (講談社文庫)
by camuson | 2010-09-11 00:55 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 07日
松ヶ根乱射事件 【印象度:89】
2006年の日本映画。レンタルDVDで見ました。
こないだ見た山下淳弘監督の「リンダ リンダ リンダ」(過去記事参照)が良かったので。

冒頭にて、脚色はしているものの、
事実に基づいた作品である旨、字幕で示されます。

木村祐一、川越美和周りの設定は、
面白くするための捏造と思われますが、
話は嘘臭くても、
流れている空気にリアリティがあるんですよね。
普遍的、本質的に、最近の田舎ってこんな感じなんだろなっていう。

人口密度が低いと言うだけで、
住んでいる人は現代人にもかかわらず、
こうも都会と異なる社会になるものかなぁと、
感じ入ってしまいました。
(それは私の勝手な見方であって、都会の方が異常なわけですが)
田舎だと社会における男女の役割があまり分化してなくて、
男女が同じ地平にいることが、とても新鮮に感じました。
(分化しないからこそ女性的価値観の鏡であるマッチョが育つという意味で。
分化が進むと、女性はいたとしても、
女性的価値観は排除される傾向があるので)

こないだ見た、都会の孤独を映し出した是永監督の「空気人形」(過去記事参照
の人形と違い、春子は、なんか生々しく、
田舎の母性的社会、ズブズブな感じを象徴してる気がします。

以上も含めたモロモロを、特にとりたてて強調するでもなく、
間の取り方で魅せていく手法はあいかわらず健在です。

松ヶ根乱射事件 [DVD]
by camuson | 2010-09-07 22:23 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 09月 03日
火車 【印象度:65】
1992年の作品。宮部みゆきは初めて読みました。

ナニワ金融道が1990~1997年ですから、
ちょうど消費者金融が話題になった時代ですかね。

カード破産を絡めた犯罪ドラマです。
作者は当時31才と若いですが、
緻密な取材に基づいたリアル志向の社会派作品です。

会話が多く、分厚さの割には早く進みますし、
全般的に、読みやすい文章なのですが、
日常の見落としてしまいがちな風景の一端を
丁寧に切り出しているのはいいのですが、
ちょっと風変わりな比喩表現を使ったり、
普段使われないような言葉を急に持ち出したりするので、
流れるような美しい文章とは言えず、
だからといって華がある文章でもなく、
気持ちのいいメリハリを感じないのですよね。

リアル志向のためか、キャラクターにもあまり華がないようです。
あと、個人的にダメだったのは、主人公息子のキャラですね。
10才やそこらで、思考や態度が、嫁なんですよね。ゾワッと来ました。
作者が自分の女性的なものを投影しちゃったのでしょうかね。

取材で仕入れた、ちょっと面白い雑学ネタがあって、
それだけ並べてもあまり面白くないので、
うまいことストーリー仕立てにして混ぜ込んでみました、
ということであれば、良くできています。
実際、最後までそれなりに面白く読めますし。
ただ、それ以上のものがあまり感じられなかったです。
個々のネタは面白いのですが、
なるほどと思わせるような絡み方をしていない気がしますね。

火車 (新潮文庫)
by camuson | 2010-09-03 19:47 | 書籍 | Trackback | Comments(0)