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2013年 01月 12日
ツナグ 【印象度:89】
2010年発表。
短編5編からなるオムニバス小説です。

死者と生者の密会を媒介する使者である「ツナグ」が、
都市伝説としてだけでなく、実存するという世界設定です。
ツナグの力により、生者は死者一人だけに一夜だけ逢うことができ、
そこに生まれるドラマが描かれていきます。

設定および全体の構成がしっかりと練り組み立てられていて、
伏線が上手く配置されていると思いました。
平易で読みやすくあまり飾らない選ばれた表現により、
超常的な設定と、ありふれた身近な世界が上手く融合しています。

各編粒ぞろいなのですが、
3編目の「親友の心得」は起承転結の「転」にあたり、
他の「ちょっといい話」と毛色が異なるようです。

登場人物が生き生きと描かれている分、
死の痛さが胸を突くのですが、
その反面、
この話だけ、真相もよくわからなければ、
死んだ娘の意図もよくわからないんですよね。
その日に限って事故が起きる可能性にかなり無理があるため、
自殺じゃねーのと勘ぐってしまったり。
気になります。


ツナグ (新潮文庫)
by camuson | 2013-01-12 22:18 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2011年 07月 12日
剣の舞 【印象度:70】
2000年ヤングチャンピオン連載。単行本「雪野峠・剣の舞」に収録。


天下一の剣豪、上泉伊勢守が考案した撓(竹刀)をモチーフに、
弟子の疋田文五郎と女剣士をうまく絡めてストーリーに仕立てています。
ちょっと小山ゆうの「あずみ」っぽいですかね。


岩明均の歴史物はクセになりそうです。
人の狂気と残虐性がちりばめられ、基本シリアスなのですが、
たまに絵やセリフを崩すので、
その落差にとぼけた味わいがあるのですよね。


雪の峠・剣の舞 (アフタヌーンKCデラックス)
by camuson | 2011-07-12 22:48 | 漫画 | Trackback | Comments(0)
2011年 05月 15日
冷たい熱帯魚 【印象度:89】
本作の劇場公開は1月からだったのですが、
見に行く時間がなかなか取れませんでした。
2週間前の話になりますが、ゴールデンウィーク中、5月1日に、
わざわざ、パルコ調布キネマまで見に行きましたよ。
たまたま割引日で1,000円でした。
それもあったのか、思ったより人が入ってましたね。
スクリーンはそれほど大きくないので、
前から2列目に座り鑑賞しました。


さて、以下、感想です。
まず、でんでんが凄いです。
この年代のオッサンのあぶらぎったバイタリティ、
明快な価値観、そのごり押し、それゆえのブレのなさ、
迷いのない裏表の使い分け、
あたりを見事に演じています。
人物造形に妥協がないので、
非常にリアルに感じられ怖いです。

吹越満は、でんでんとは対照的に地味な役柄なので、
どうしても印象が薄くなりがちですね。
でも、そつなくこなしています。

上記2人の男の妻2人が、また対照的で、
でんでんの妻、黒沢あすかが、派手に武装した色気
(初登場シーンではハッとしました)なのに対して、
吹越満の妻、神楽坂恵は、平凡な生活にふてくされたような、
化粧っけのない、くすんだ顔つきです。
だがそれがイイ。そのギャップがイイんです。
たまに表情が輝くのもイイ。
ということで、いつのまにか、坂恵(さかえ)さんがお気に入りに。

終盤に向かうところで、でんでんと吹越の殴り合いがあるのですが、
吹越以上にヘタレな我々にはガツンと重く響く一撃でしたね。
結果的には効果てきめんで、更に泥沼に向かって展開していきます。

本作品は埼玉愛犬家連続殺人事件をモチーフに、
その他現実社会のいろいろと濃い部分を抽出して、
エンターテインメントとして再構築しているようですが、
作品内に落とし込んだそれぞれの要素が、しっくりと絡み始めて、
蠢き始め、新たなカオスを生み出しているんですよね。
作品としてのナマモノ感、生臭さを強く感じました。
by camuson | 2011-05-15 01:21 | 映画 | Trackback(3) | Comments(0)
2010年 02月 23日
冷たい密室と博士たち 【印象度:88】
あまり推理小説を読まないし、詳しくもないのですが、
ちょっと変わったタイプの推理小説だなと思いました。

いわゆる単純な倒叙法ではないのですが、
ある程度読み進むと、犯人とトリックの目星が付くようになっていて、
何故犯人は密室をつくったのか?の謎を追っていくようになります。
そこから、仮想倒叙モードが進行する一方で、
実は倒叙じゃないよという揺さぶりを掛けてきたりと、
面白いことするなぁと感じました。

ただ、読んでる側からすると、
登場人物が巡らす間違った推理がバカっぽく感じてしまうんですよね。
読者にヒントを与えて誘導しようとする作者のあざとさを若干感じてしまいました。
とは言うものの、
読者は、犯人が「本の外の人」では作品が成立しないことを知っているのに対して、
「本の中の人」達は、そうではないので、実際はバカではないんですけどね。
逆に、密室の理由の謎については、神視点ですべて見えてしまう読者の
虚を突くものになっています。

前作「すべてがFになる」(過去記事参照)が、
強烈なビジュアルイメージ、天才、狂気、なのに対して、
本作は、その都度平面図と見比べながらコツコツと空間のイメージを積み上げて、
秀才はたくさん出てきますが天才は出てこなくて、怨恨のような人間っぽい話もあってと、
非常に対照的ですね。
どちらも甲乙付けがたいですが、シリーズの振れ幅が味わえて、
続編が楽しみになる感じです。

私も大学時代は実験系のことをやっていて、
大学の敷地の外れにある外界から隔絶された
窓が全くない実験施設に籠もったりもしていたので、
非常に身近というか、懐かしいというか、そういった感覚で一気に読めました。


ストーリーと関係ないところで、ちょっと、おやっ、と思ったのは、
搬入室と実験室の間にドアらしきものがないことですね。
せっかく同レベルのところに搬入室を設けたのに、
これだと、実験室に荷物を入れるのに、非常に急で狭い階段を
上がって降りてしなきゃならないんですよね。まあ蛇足です。

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
by camuson | 2010-02-23 23:58 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2006年 09月 04日
妻は多重人格者 【印象度:80】
「妻は多重人格者」 花田深 著 集英社 2004年

週末実家に帰ったとき、母親が図書館から借りてきていて薦められた1冊。滅多にないことなので読むことにしました。

多重債務と多重人格のコラボ。
解離性同一性障害(以下多重人格と言ってしまいます)患者の夫によるノンフィクション手記。

【前半】多重債務編
  借金の取り立て地獄。
  家庭崩壊の危機。
  ( ̄ー ̄)
  (((( ;゚ Д ゚ ))))
  恐怖。
  ネガティブ。
  最期の覚悟。

【後半】多重人格編
  多重人格発覚。
  見える敵へ。
  ポジティブ。
  感謝。
  統合・消滅。

キーワードはこんな感じですかね。

「多重人格に気付かない悲劇」に焦点をあてた作品と言えるでしょうか。
一歩間違えれば、悲惨な結果になっていました。

多重人格もだいぶ世間に認知されましたが、まさか自分が、または身内が多重人格者だとは夢にも思わないですよね。ふつーは。挙動がおかしい場合、疑ってみるのも悪くないかも知れませんね。

この作品は日本人の、しかも身内(夫)による手記なので「ビリー・ミリガン」と比べると、より身近で現実的な感覚で多重人格を捉えることができました。

登場場面は少ないもののヤマジというキャラが作品にアクセントを与えています。事実は小説より奇なりと言いますが、なまじフィクションではヤマジは作れないだろうな。

妻は多重人格者
by camuson | 2006-09-04 21:00 | 書籍 | Trackback | Comments(0)