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タグ:京極夏彦 ( 5 ) タグの人気記事
2016年 02月 21日
絡新婦の理 【印象度:87】
1996年発表。電子書籍版を購読。

1人の黒幕(絡新婦)が、複数の実行犯、教唆犯、準備班を、
本人達に気付かれないように誘導して、自分の手を汚さずに殺人を実現していく。
誘導の糸を張り巡らして、その中央で獲物を待つ。
というコンセプトがまずありきの作品。

コンセプトありきで、実現が困難な完全犯罪を、
いかに口八丁でエンターテインメント作品に仕上げるか、
作者自ら高いハードルを設定した挑戦的な作品と言えます。

で、実現性が乏しいがゆえに、本格推理が期待できない中では、
まずまずな仕上がりになっていると思います。

ただ、終盤に至るまでは、
ひたすら複雑な伏線の仕込みを読まされている感があります。
(そういうコンセプトなので仕方ないのですが)
あと、ことあるごとにシリーズの既刊作品の登場人物に行き当たり、
ちょっとあり得ないなぁ、世間が狭すぎるなぁ、
読者サービス?が過ぎて節操がないかなぁと感じました。

だがしかし、京極道の憑きもの落としが始まってからは、
仕込みが長かった分、息を着かせぬ怒濤の展開と、
京極道の蘊蓄を楽しめました。


シーン9が終わった段階で、犯人の目星を付けました。
それまで一番怪しいと狙いを付けてた人が、ここに来てちょっと違う感じで、
論拠はないのだけど、あの人が真犯人だとお話として収まりが良さそうな感じ。
確認のため、再度、冒頭のエピローグを読むと、実にしっくりきます。

だがしかし。シーン10。息を着く間もない怒濤の展開。
えーそっちかよ。ノーマーク。
でも冒頭シーンは何だったのか?!

だがしかし。シーン11。やはり・・・


本当に面白いんですけど、改めて実現難易度が高すぎなのが・・・

前半のシーン間に挟まれる男女のやりとりが妖しく隠微なのですが、
初読では何のこっちゃという感じです。
話がつながり、人物を特定できたあとで読み返すと、
まったく違う鮮明な情景が再現され、その落差を楽しめました。
よい構成です。


絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】
by camuson | 2016-02-21 22:25 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2013年 01月 08日
鉄鼠の檻 【印象度:91】
1996年発表。
講談社ノベルス版を読みました。

シリーズ前作「狂骨の夢」を読んだのが2006年3月なので、
実に6年と9ヶ月ぶりに京極作品を読むことになります。
前作読了後に既に購入していましたが、
本がやたら分厚く、持ち運びができないので、手が付けられませんでした(苦笑)
その間、震災があって水損し、頁がガビガビに。
(東京に住んでいながら、蛇口レバーにワインの瓶が落ちて水浸しになりました)
完全に水に浸かったわけではないので読めないことはないです。
鼠に食われていなかっただけ良しとしましょう。

というわけで、正月休みでもないと読めないと思い至り、
実家に持ち込み何とか読了しました。


箱根の山奥にあるお寺で坊主が連続で殺されるというお話しです。
これまでの作品と比べて、華がありませんが、
これは意識的に抑えているのでしょう。
冬の雪山が舞台なので、視覚的にもモノトーンです。

蘊蓄の深さでは、これまでのシリーズ四作の中でも随一です。
禅にフォーカスした分、妖怪である鉄鼠についてはかなりあっさりめです。

人物描写も深く、今川の生い立ちの話はかなりの頁が割かれています。
特に伝統工芸が職人技か芸術かで葛藤するところが興味深かったですね。
ちょうどNHKでやっていた「樂家十五代・樂吉左衛門」を見たところで、
なんとなくその内容と重なりました。
樂は芸術に踏み込んで評価されたわけですが。

本作は素材が地味な分、職人芸的な味わいを楽しめる作品だと思います。
エンターテインメントに仕立て上げる手腕は相変わらずで、酔いしれました。


鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)
by camuson | 2013-01-08 22:02 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2006年 10月 10日
魍魎の匣 【印象度:97】
e0020682_20583579.jpg「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」京極夏彦 1995.1 を読み終えた。

また、読書感想文などを少々。ネタバレを避けたのでかなり抽象的かも。

まず、本作は前作と比べてかなりぶ厚い。4cm近くある。
その分、場面数、登場人物数も多く、複雑に伏線が張り巡らされているのを感じとることができ、
途中だれることなく一気に読むことができた。
読者は、場面が切り替わるたびに異なる人物の視点を借り
(その人物の脳や心というフィルターを通して)事件の一部分を見ることとなる。
読者は、客観的に俯瞰しているわけではないものの、それら断片的な情報が積み重なり、
状況把握のための材料を作中登場人物の誰よりも多く持つことになる。
にもかかわらず事件核心への到達はままならず、京極堂に勝つことができない。

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by camuson | 2006-10-10 23:03 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2006年 03月 24日
狂骨の夢 【印象度:95】
「狂骨の夢」 京極夏彦 1995.8

ふー、やっと読み終えた。
まとまった時間がとれず、読み始めてから5ヶ月くらい経ってるかも・・・。
月日の流れるのは早いものです。


■ 物語の流れについて ■

前作が「ハコづくし」だったのに対して、本作は「ホネづくし」です。

全般的に地味な印象を受けました。前作、前々作と比べて、主要人物があまり死なないことも刺激が少ない要因でしょうか。あえてその手の刺激に頼らなかったとも言えるでしょうか。

終盤が近づいてきても、話は発散するばかりで、一向に収束する雰囲気がないため、読んでいて若干の混乱とフラストレーションを感じました。

ですが、ご安心を!
終盤に一挙に話が収斂し、謎は解け、たまっていた鬱憤が晴れます。地味な前半で伏線がしっかり仕込まれていたことに気付きます。


■ キャラについて ■

物語の主役、朱美は、飲み屋の粋な女将を思わせるさばけた性格と、記憶障害と幻覚に苦しみ怯える内向的な性格を併せ持ち、不思議な魅力を感じさせます(多分に多重人格が疑われるわけですが・・・)。
しかし、その他の新規登場人物の魅力がいまひとつのように思います。
悩める元精神科医の降旗、悩める牧師の白丘。「悩める」という部分で感情移入がしやすいキャラなので、かなり期待してしまいました。それぞれの専門分野の代弁者として、悩んだ末に何かを掴み、京極堂とわたりあうことを・・・。しかし、実際は与えられた役目をこなすものの、キャラが弱く、京極堂の引き立て役に終わってしまったようで、ちょっと拍子抜けでした。


■ テーマについて ■

さて、本作は「業」が大きなテーマになってるような気がします。
過去を引きずって生きていかざるを得ないという人の業。

「トラウマ」や「大願」といった過去の呪縛によって人生を狂わせていく「人の弱さ」が描かれると同時に、数奇な宿命を背負っても、つつましい日常を生き抜いていく「人の強さ」も描かれているのかなと思います。特にエンディングシーンは「強さ」が感じられて爽快でした。

前作まででは、鮮烈かつ刺激的な非日常が題材になっていますが、どこか遠くで起きた事件という感は否めませんでした。
それに対して、本作では、地味でつつましい日常に溶け込んだ非日常を描くことで、彼岸と此岸のあやうい境界を表現したかったのかなあ、なんて考えたりします。
肉片が鮮烈で刺激的なのに対して、骨片は地味ですが、日常に入り込みやすい素材ですね。

そして人の業、すなわち、過去の記憶や意志の象徴としての人の骨なのかなと。

狂骨の夢 (講談社ノベルス)
by camuson | 2006-03-24 20:27 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2005年 09月 04日
姑獲鳥の夏 【印象度:86】
1994年発表の日本の小説。
友人から借りた「姑獲鳥の夏」を読了。
実は借りたのが6月末なので2ヶ月以上かかった。
空いた時間に少しずつ読んだので忘れてしまっているところも多く
読み終わったあと一気に3日間くらいで再読した。

さて、今回は読み終わった直後の素直な感想を、思いついたまま書いてみた。
深い考察はさておき、第一印象を忘れずに残しておくため。

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by camuson | 2005-09-04 12:45 | 書籍 | Trackback | Comments(1)