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タグ:森博嗣 ( 5 ) タグの人気記事
2016年 03月 08日
作家の収支 【印象度:80】
2015年発表。電子書籍版を購読しました。

これまであまり語られることのなかった作家の収入・支出の内訳を、
森博嗣が自身を実例としてつまびらかにするというものです。

これは本当に貴重な情報で、一気に読んでしまいました。面白かったです。

森博嗣は多作な上に、ドラマやアニメ映画の原作になっているものもあったり、
フィクションだけでなく、本作のような実用・新書系も書いてたりして、
サンプルが1人でも十分に多様性があって、
ケーススタディとして成立するのですよね。


ちなみに印税は書籍価格の10%(書き下ろしだと12%)が相場で、
森博嗣の場合、引退する前は9千万円/年前後で安定、
引退してからは半減とのこと。

売れてる作家のイメージがあったのですが、
ミリオンを超える作品はないそうで、
読みやすい割には読む層を選ぶ作家なのかなぁと改めて感じました。

追伸
本作の電子書籍版は紙媒体の6割引の価格という、
原価を反映した正しいあり方。
(ちなみに幻冬舎新書は通常7%程度の割引率。破格。)
これも森の仕業か?
電子書籍は原価が少なく印税率が高くなるようなので、
その分を何も言わずにキックバックしているのか?
無言実行カコイイ!

作家の収支 (幻冬舎新書)
by camuson | 2016-03-08 20:56 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 01日
孤独の価値 【印象度:60】
2014年発表。孤独に関する思索、エッセイ。

現代人は、人と絆を持たなければならない脅迫観念にとらわれていて、
孤独が悪であるかのごとく思い込まされている。
しかし、実は孤独は創作の源であり、
人間が人間らしく生きるために欠かせないものである。
というような主旨です。

上の主旨にはおおむね同意できるのですが、
全体的に、論理的な考察を目指している割には、
なんとなくふわふわしていて、深みや切れ味に欠けるんですよね。

筆者がいみじくも「まえがき」に書いているとおり、
「一人の人間の思考実験をご覧に入れる、というだけの内容」
なのです。

個人的経験をよりどころに、下手に一般化して、
読者にアドバイスしたりするより、
一般化は度外視で、
筆者の隠遁生活をリアルにつぶさに記した方が面白かったかも。


人の感情をサインカーブに例えたのは、とてもしっくりきました。
それ以外は、例えがしっくりこず、散漫になってしまうところもいくつか。


孤独の価値
by camuson | 2015-02-01 22:32 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 08日
笑わない数学者 【印象度:75】
1996年発表。講談社文庫版を読みました。
2010年3月に購入して以来、積んでありましたが、
実家に帰るときにたまたま持ち帰って読みました。

森博嗣を読むのは3年以上ぶりです。
ミステリとしての仕立てや雰囲気がよくできていて、
安心して楽しめます。

比較的わかりやすいトリックを仕掛けて、読者に謎を解かせて、
その後に揺さぶりをかけるという手法は、
前作「冷たい密室と博士たち」に似ていると思ったのですが、
前作よりもメイントリックがずっと単純で、
その仕掛けがわかると、犯人が特定できてしまうというものです。
謎解きの醍醐味を期待していたので、
少し肩すかしを食らってしまいました。


最後の老人と少女のエピソードは、
館のコンセプトと綺麗につながっていて、
思わず「おっ」と思ったのですが、
これらディテールが印象的な分、
少しもったいないという印象を持ってしまいました。

軽快なテンポで読みやすいのですが、
各章に付けられた思わせぶりなサブタイトルや、
何が面白いのかわからない、ことわざの言葉遊びなどが、
上滑りしている気がしないでもありません。
全2作ではあまり気にならなかったので、
こちらが歳を取ったのが原因でしょうか?
それともシリーズに脂が乗ってきて、
更に全開になる前触れでしょうか?

途中で出てくる数学パズルは良く考えたなと思います。
すべて数分考えて解けないのであきらめて読み進めてしまいました。


笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
by camuson | 2013-05-08 20:13 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2010年 02月 23日
冷たい密室と博士たち 【印象度:88】
あまり推理小説を読まないし、詳しくもないのですが、
ちょっと変わったタイプの推理小説だなと思いました。

いわゆる単純な倒叙法ではないのですが、
ある程度読み進むと、犯人とトリックの目星が付くようになっていて、
何故犯人は密室をつくったのか?の謎を追っていくようになります。
そこから、仮想倒叙モードが進行する一方で、
実は倒叙じゃないよという揺さぶりを掛けてきたりと、
面白いことするなぁと感じました。

ただ、読んでる側からすると、
登場人物が巡らす間違った推理がバカっぽく感じてしまうんですよね。
読者にヒントを与えて誘導しようとする作者のあざとさを若干感じてしまいました。
とは言うものの、
読者は、犯人が「本の外の人」では作品が成立しないことを知っているのに対して、
「本の中の人」達は、そうではないので、実際はバカではないんですけどね。
逆に、密室の理由の謎については、神視点ですべて見えてしまう読者の
虚を突くものになっています。

前作「すべてがFになる」(過去記事参照)が、
強烈なビジュアルイメージ、天才、狂気、なのに対して、
本作は、その都度平面図と見比べながらコツコツと空間のイメージを積み上げて、
秀才はたくさん出てきますが天才は出てこなくて、怨恨のような人間っぽい話もあってと、
非常に対照的ですね。
どちらも甲乙付けがたいですが、シリーズの振れ幅が味わえて、
続編が楽しみになる感じです。

私も大学時代は実験系のことをやっていて、
大学の敷地の外れにある外界から隔絶された
窓が全くない実験施設に籠もったりもしていたので、
非常に身近というか、懐かしいというか、そういった感覚で一気に読めました。


ストーリーと関係ないところで、ちょっと、おやっ、と思ったのは、
搬入室と実験室の間にドアらしきものがないことですね。
せっかく同レベルのところに搬入室を設けたのに、
これだと、実験室に荷物を入れるのに、非常に急で狭い階段を
上がって降りてしなきゃならないんですよね。まあ蛇足です。

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
by camuson | 2010-02-23 23:58 | 書籍 | Trackback | Comments(0)
2009年 07月 15日
すべてがFになる 【印象度:95】
森 博嗣は初めて読みます。
第1回メフィスト賞受賞作と言うこともあり、
京極夏彦を読んだ後に、読もうと思ったことがありましたが、
読んでいませんでした。
たまたま、友人に薦められたので読むことにしました。

以下、感想です。

面白いので一気に読めました。
湿っぽい人間描写など、無駄な飾りがほとんどないので、
展開の意外性を純粋に楽しめます。

ただ、その弊害でしょうか。
序盤、一般建築とはかけ離れた異常空間の中で、
キャラの立っていない人たちが、あちこち動き回るので、
状況をなかなか把握しづらくなります。

部屋の位置関係や人物の動きをメモろうかとも思いましたが、
そういう細かい作品ではなかろうと思いやめました。
それは、正解だったようです。


建築空間と情報空間。それぞれの「密室」に隠された謎。
すべてがFになるという表題。
The Perfect Insiderという副題。


物語の舞台となる研究所では、
究極のタスク照明が実現されているのですが、
そこまでするのであれば、究極のタスク空調とまではいかずとも
遺体の腐乱をもう少し防げるような、
または、臭気をコントロールできるような
空調があっても良いのかなとは思ったりしました。

リアル・スペースに現実味がないところに、
ヴァーチャル・スペースの描写が妙に瑞々しいのが
印象に残りました。

それから、この作品には天才が登場します。
作者自ら、表現のハードルを上げていますね。
真賀田四季博士は、修羅の道であっても、
軽やかに通り抜けてしまうような、
常人とは違ったコトワリで生きています。
しっかりと天才が表現されています。


次の日には朝から打ち合わせがあり、
配付資料を作成しなければならないにも関わらず、
途中で読むのをやめられなくなり、
深夜3時まで読みふけってしまいました。

後日、作者:森博嗣氏のウェブサイト「森博嗣の浮遊工作室」
http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_law.html
でこんな言葉を見つけました。
「明日は仕事で朝が早い、と思いながら読む小説が最もスリリングだ。」

あえて異論を唱えるとすれば、「最も」と書かれていますが、
配付資料を準備していなければ更にスリリングになると思いました。

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)
by camuson | 2009-07-15 22:54 | 書籍 | Trackback | Comments(0)