書籍
漫画
映画
アニメ
テレビ
ゲーム
音楽
作品名
印象度
ラン
書籍索引
漫画索引
映画索引
アニメ索引
テレビ索引
ゲーム索引
音楽索引
時間
空間
人間
ランまとめ
2010年 02月 21日
インビクタス/負けざる者達 【印象度:80】
2009年のアメリカ映画。
監督:クリント・イーストウッド。

劇場で見てきました。
非常にシンプルで、テーマが絞られていて、無駄のない、良質な映画です。

実話に基づいた作品なので、嘘くさい大げさな演出にならないよう
丁寧に作られている印象を持ちました。

南アの大統領が分裂した国をまとめるのにスポーツを利用するお話
と言ってしまうとそれまでですが、
国が置かれている状況からするに、藁にもすがるのはむしろ英断であり、
そんな一縷の望みに近い目標を、強い信念により
実現に結びつけた成功物語が描かれています。

時は1995年ラグビーワールドカップ南ア大会当時。
主人公は、南ア大統領ネルソン・マンデラと
南アラグビーナショナルチーム主将のフランソワ。

南アと言ってまず連想されるのはアパルトヘイトでしょうか。
アパルトヘイト時代における黒人の不幸は、私の想像を超えたものですが、
生まれる国を選べないのは、白人にも言えることであり、
アパルトヘイトが廃止された南アで、白人として生きていくことは、
先祖の負の遺産を背負い、常に復讐におびえながら生きていくことなのだ、
ということを暗に気付かせてくる作品でもあります。

日本に住んでいると感覚がずれてしまいがちですが、
復讐の連鎖を断ち切らずに、とりあえず未来のことは考えずに、
子孫をも不幸の連鎖に巻き込んでいくのが世界標準の考え方で、
マンデラ大統領は、それが不毛であることを悟ることができた希有な指導者のようです。
非白人と白人が法的には平等になった今、白人支配時代からの誇りである
ラグビーナショナルチーム「スプリングボックス」まで白人から取り上げてはいけない、
そういう「負けるが勝ち」的なバランス感覚をも持っています。

マンデラは、大統領になる前に、反アパルトヘイト活動により、
27年間の投獄生活を強いられましたが、
「自分の人生の支配者は自分自身である」という詩の一節を心の支えに、
決して信念を曲げることはありませんでした。

敵対し合う国民がまとまるには、国民としての共通の誇りが必要なこと、
ものを成し遂げるには、決して屈服することのない信念が重要であることを
主将フランソワに伝え、これが、チーム内にも伝搬し、
自国初開催のワールドカップで初優勝が現実となります。


この作品のテーマは誇りと信念、そしてその伝搬。
シンプルで事実以上の驚きはありませんが、だがそれがいい。と言える作品です。

その後の南アの治安はいっこうに良くなっていないように思いますが、
何らかの前進があったのかどうかは興味深いところです。

追伸 日本代表も成し遂げてくれています。真面目な作品にアクセントを与えてくれました。

インビクタス/負けざる者たち (クリント・イーストウッド 監督) [DVD]
by camuson | 2010-02-21 21:42 | 映画 | Trackback(7) | Comments(0)
Tracked from 新!やさぐれ日記 at 2010-02-25 07:54
タイトル : 【映画】インビクタス/負けざる者たち
▼動機 テレビ版CMの出来の悪さに反って興味を持った ▼感想 鑑賞後に色々と興味を持てる材料が残るところがよい ▼満足度 ★★★★★★☆ いいかも ▼あらすじ 1994年、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)はついに南アフリカ共和国初の黒人大統領となる。いまだにアパルトヘイトによる人種差別や経済格差の残る国をまとめるため、彼はラグビーチームの再建を図る。1995年に自国で開催するラグビー・ワールド・カップに向け、マンデラとチームキャプテンのピナール(マット・デイモン)は、一致団...... more
Tracked from 象のロケット at 2010-02-26 17:31
タイトル : インビクタス/負けざる者たち
1994年、黒人として初めて南アフリカ共和国大統領に就任したネルソン・マンデラは、アパルトヘイト(人種隔離政策)による人種差別や経済格差が依然として残っていることを痛感する。 スポーツを通してなら人々を団結させられるはずだと信じたマンデラは、ラグビーチームの立て直しを図る。 “不屈の精神”は国民の心を‘ひとつ’にできるのか…。 実話に基づく社会派ドラマ。... more
Tracked from シネマ親父の“日々是妄言” at 2010-02-28 21:27
タイトル : 「インビクタス 負けざる者たち」やっぱり、イイな~。
[インビクタス/負けざる者たち] ブログ村キーワード  “クリント・イーストウッド監督第30作”「インビクタス 負けざる者たち」(ワーナー・ブラザース)。南アフリカでの感動の実話を映画化。相変わらずエエ仕事しますな~!イーストウッド監督。  南アフリカで、アパルトヘイト政策が廃止された1990年。ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は、27年にも及ぶ獄中生活から解放される。そして1994年に行われた、南ア史上初の全人種参加選挙により、マンデラは大統領に選出される。これまで人種差別...... more
Tracked from 映画的・絵画的・音楽的 at 2010-03-07 08:14
タイトル : インビクタス
 『インビクタス/負けざる者たち』を渋谷のシネパレスで見ました。  クリント・イーストウッド監督の作品については、これまでも随分とおつきあいをし、昨年だけでも『チェンジリング』と『グラン・トリノ』の2本を見ているので、この作品もぜひと思って映画館に出向きました。 (1)見る前にあまり情報を持っておらず、偶々耳にした話から、南アフリカのマンデラ大統領とサッカーの話なのかしらと漠然と思っていましたら〔ちょうど、南アでサッカーのワールドカップがもうすぐに開催されることもあるしと〕、ラグビーの話なのでアレ...... more
Tracked from 虎党 団塊ジュニア の .. at 2010-03-08 23:42
タイトル : 『インビクタス 負けざる者たち』09・米
あらすじ1994年、マンデラ(モーガン・フリーマン)はついに南アフリカ共和国初の黒人大統領となる。いまだにアパルトヘイトによる人種差別や経済格差の残る国をまとめるため、彼はラグビーチームの再建を図る。1995年に自国で開催するラグビー・ワールド・カップ...... more
Tracked from ピロEK脱オタ宣言!…た.. at 2010-09-23 03:45
タイトル : 【映画】インビクタス/負けざる者たち…の記事&お盆はこう..
私のお盆休みの過ごし方。 13日(金曜日){/kaeru_fine/}{/kaeru_rain/}…夜勤明けなので(しかも帰宅後ビール{/beers/}を少し飲んだので)昼過ぎまでダウン{/face_hekomu/}。 午後(14時頃)から、(嫁さんの)実家に行っていた嫁さんと娘に合流。 夜には帰省している学生時代の友人が東京ばななを持ってきてくれる{/dogeza/}。大したもてなしも出来ず申し訳ない感じ{/dogeza/} 14日(土曜日){/kaeru_fine/}…あんまり何をしたかという...... more
Tracked from 別館ヒガシ日記 at 2011-02-06 13:48
タイトル : インビクタス/負けざる者たち(感想184作目)
インビクタスはWOWOWで鑑賞したけど 結論はアパルトヘイトなど色々と勉強なったよ... more
<< 冷たい密室と博士たち 【印象度... 蔵王温泉スキー場 >>