映画
1956年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで見ました。
石原慎太郎の原作は未読です。
東京都青少年健全育成条例の絡みで、
思わず借りてしまったのですが、
時機を逸したまま、放置しかけてました。
あらすじ。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
不良大学生(川口浩)が、生真面目な女子大学生(若尾文子)に、
睡眠薬を飲ませて犯っちまったら、何故か惚れられていた。
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが、
もっとチャチなもんの片鱗がなんたらかんたら・・・
上記あらすじから、過激なものを想像しがちですが、
エロ描写は皆無で、色気も皆無です。
そちら方面では、まったく期待を裏切られます。
そんなムチャでもファッション感覚で犯り遂げてしまう俺って、
新しくてカッコイイ!
新しい時代は、こんなカッコイイ俺たちが作って行くんだぜ!的なことが、
どうも主題のようなんです。
50年以上前とはいえ、それを割り引いても、ダサすぎる。
というか、時代を超えたカッコワルサを見たような気がします。
江戸時代に持って行こうが、平安時代に持って行こうが、
はたまた未来永劫・・・
時代を超えたスタンダードを確立したという面では評価できます。
50年以上の時の隔たりがありながらも、
見てるこちらが、こっぱすかしくなってしまうくらいなので、
当時の一般人の心労、精神的苦痛を考えるとあまりに気の毒で
言葉もありません。
主役の川口浩ですが、
後年の隊長としての凛々しいイメージしかなかったのですが、
若いころはまったくイメージが違っていて、
風貌としては、伊藤淳史(電車男)に原西隆幸を少し加えたような感じで、
それだけならなんらおかしくはないのですが、
これに石原裕次郎風味をふりかけてしまったため、
滑稽さに拍車がかかっています。
宮口精二が、しがない銀行員の父親役を好演しているのと対照的です。
処刑の部屋 [DVD]