書籍
1991年に初版。
2002年の第2版で「火星から来たジャーナリスト」を追加。
2003年に日本で発行された集英社新書版では、
著者に対するインタビューを追加。
集英社新書版を読みました。
表題作ではアメリカがいかにメディアをコントロールし、
ややもすると平和を叫ぶ傾向のある国民をだまし、
焚き付けて、合意を得て、
他国への侵略戦争を遂行してきたかの歴史を振り返ります。
アメリカって大体そんな国だよねというのは、
アメリカ人以外は普通に感じているのですが、
アメリカ人が詳細に検証し、声高に主張するのはなかなか貴重なことです。
湾岸戦争直後に発表したことにも意味がありますね。
「火星から来たジャーナリスト」では、
911以降、対テロ戦争がアメリカの国是のようになりますが、
仮に俯瞰的な目を持った火星人が、世界情勢を報道したとしたら、
アメリカほどテロ国家の名にふさわしい国はないであろうという話。
最後のインタビューでは、
聞き手が日本人ジャーナリストの辺見庸であることもあり、
アメリカに対してだけではなく、日本に対しても、
インドネシアへの支援が東ティモール弾圧につながったなどと手厳しく、
さらには、昭和天皇を真の戦争犯罪者と断罪するなど、
日本を同じ穴に引き摺りこもうと余念がない感じですよね。
メディア・コントロール ―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)