映画
2005年のアメリカ/カナダ映画。レンタルDVD。
「ティファニーで朝食を」の原作小説家として著名な、
トゥルーマン・カポーティが主人公。
カポーティが、1959年にカンザス州で実際に起こった
農場一家惨殺事件の犯人を密着取材して、
小説作品「冷血」に結実させるまでの過程を描いています。
自身が「ノンフィクション・ノベル」と呼ぶこの手法は、
当時は斬新なもので、一大野心作なわけですが、
それを成功させるためには、野心を隠して、
犯人の心の友になり情報を引き出す必要があります。
その狡猾な立ち回りに、主人公自身が毒され、苦悶、葛藤しはじめ、
病んでいくというような話だと思います。
主人公は(才能ある人にはありがちで)いささか変人であり、
演じ手のフィリップ・シーモア・ホフマンが、
細かい役作りしているのがわかるのですが、
ちょっとうるさく感じてしまいました。
主人公以外の役者達が、逆に自然でよかったです。
特に、犯人役の人。
心の闇がありながらも、
終盤までそれが表層に出てこない感じがよかったです。
カポーティ [DVD]