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1973年公開のアメリカのテレビ映画。「刑事コロンボ」Blu-ray BOXから。
第19作(第3シーズン)。原題は“Any Old Port in a Storm”。
経営者の父から遺産として現金を継いだワインマニアの兄は、
高価なワインをオークションで競り落としたりと散財しまくり。
一方、ワインにまったく無関心のプレイボーイの弟が、
なぜかワイナリーを遺産として引き継いでいて、
兄に相談せずに新興ワイン会社にワイナリーを売却。
兄貴が激高。殺害といった流れ。
小さな疑問として、
そんな変な遺産の分け方をしないで、
最初からもめないようにしとけよというのがあります。
ま、それはいいとして、核心部分で大きな疑問が残ります。
まず、ワインセラーの空調を切る意味がわからないです。
換気と冷暖房の発停が切り離せない設備だと仮定して、
窒息させる意図で空調を停止して外気供給をなくしたとして、
あの部屋の広さで、数日で窒息死させるのは難しいと思われます。
空調は切らずに、大きめのビニール袋でもかぶせておくのが現実的じゃないかなと。
また、ワインセラーというのは、外気の変動の影響を簡単に受けないために、
地下室につくっているのであって、
外気を取り入れていたのならまだわかりますが、
外気の供給を止めたにもかかわらず、
外気温度の変化を簡単に受けてしまっては、
ワインセラーの意味がありません。
常に空調設備が故障する可能性もあれば、停電する可能性もあるわけで、
そんなところに主人公にとって命でもあるワインを貯蔵していたとしたら、
随分とマヌケな話です。
というようなことで、机上で書き上げた現実感の無さが気になって仕方ありません。
犯人本人に、自分が犯人である証拠をつくらせるコロンボのトリックの
アイデアはなかなか面白かったのですが、ちょっと無理筋です。
一方で、作品を覆う高尚な雰囲気を丁寧につくり上げているところは好感が持てました。
(蛇足)
ジローラモ系統の典型的な陽気なイタリア人ではなく、
ちょっと陰気なインテリ風イタリア人となると、
なんとなく、元サッカー日本代表監督のザッケローニの系統になりますね。
温厚そうなんだけど、切れると怖そうな。