私が勤めている会社では、お茶などに使用する電気ポット置き場があって、
3時くらいになると、出張のおみやげやら、お客様から頂いたお菓子やらが、
その横のスペースに置かれることになっています。
ここでは、たいへん不思議な現象を目の当たりにすることになります。
お茶を飲もうとした人が、ついでにお菓子をつまんでいくことから、
ばらつきはあるものの、少しずつお菓子が消費されていきます。
ここまでは、何の変哲もありません。
しかし、最後の一個になると、消費がピタリと止まります。
下手をすると1個だけ残ったまま、夜中まで放置されていたりします。
実に不思議な現象です。
私の美意識では、「1個だけ残ってるのはみっともない」と感じてしまうので、
思わず、最後の1個を食べて、周りの容器の後始末をしてしまいます。
(近くのゴミ箱に捨てるだけですが・・・)
これは、もしかして、やってはいけないことなのでしょうか?
例えば、この国には、柿の実を一つだけ残して、
「来年もまた、多くなりますように!」
と願を掛ける風習があるやに聞いております。
共同体に伝わる風習を踏みにじったことにより、
影で後ろ指を指されているのでしょうか?
そして、もう一つ、更に不可思議な現象を目の当たりにすることとなります。
お菓子の横にあるポットでは、全く逆の現象が発生するのです。
ポットにお湯がほとんど残っていない、空だきに近い状態で放置されることです。
実に不思議な現象です。
私の価値観では、「お茶1杯に満たないお湯を電力を消費して温め続けるのは意味がない」
と感じてしまうので、思わずポットにお湯を足してしまいます。
しかし、これも何か古来の風習を受け継いだものなのでしょうか?
今度は、最後の1杯に対して、あまりにも無遠慮であり、
「柿の実理論」は、まったく歯が立ちません。
このように会社のポットの周辺だけ見ても、
人間の行動は本当に複雑怪奇です。
このような謎を解明していくために、
民俗学などにもフィールドを広げていければと思っています。