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カテゴリ:映画( 385 )
2010年 09月 07日
松ヶ根乱射事件 【印象度:89】
2006年の日本映画。レンタルDVDで見ました。
こないだ見た山下淳弘監督の「リンダ リンダ リンダ」(過去記事参照)が良かったので。

冒頭にて、脚色はしているものの、
事実に基づいた作品である旨、字幕で示されます。

木村祐一、川越美和周りの設定は、
面白くするための捏造と思われますが、
話は嘘臭くても、
流れている空気にリアリティがあるんですよね。
普遍的、本質的に、最近の田舎ってこんな感じなんだろなっていう。

人口密度が低いと言うだけで、
住んでいる人は現代人にもかかわらず、
こうも都会と異なる社会になるものかなぁと、
感じ入ってしまいました。
(それは私の勝手な見方であって、都会の方が異常なわけですが)
田舎だと社会における男女の役割があまり分化してなくて、
男女が同じ地平にいることが、とても新鮮に感じました。
(分化しないからこそ女性的価値観の鏡であるマッチョが育つという意味で。
分化が進むと、女性はいたとしても、
女性的価値観は排除される傾向があるので)

こないだ見た、都会の孤独を映し出した是永監督の「空気人形」(過去記事参照
の人形と違い、春子は、なんか生々しく、
田舎の母性的社会、ズブズブな感じを象徴してる気がします。

以上も含めたモロモロを、特にとりたてて強調するでもなく、
間の取り方で魅せていく手法はあいかわらず健在です。

松ヶ根乱射事件 [DVD]
by camuson | 2010-09-07 22:23 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 31日
4ヶ月、3週と2日 【印象度:85】
2007年のルーマニア映画。レンタルDVDで見ました。
カンヌ、パルム・ドール受賞作品。

予備知識ゼロで見ました。

1987年、チャウシェスク政権下という設定。

学生寮らしきところに住む20代前半?の女子学生二人(ルームメイト同士)が、
なにやら泊まりがけで出掛ける支度をしているところから始まります。

部屋の中は、ぬいぐるみやらのkawaii系グッズなどは皆無で、
無機質で男前です。

さて、泊まり先としてホテルを予約していたのですが、
実際に行ってみると、予約係のミスで予約が入っておらず、
フロントには冷たくあしらわれます。
逆に、前日に予約確認をしていなかったことを責められる始末。
計画経済における供給者側の傲慢さに加えて、利権すら見え隠れします。
余分に請求されたお金はフロントの懐に入ってしまうのでしょう。

そして、映画が始まり30分ほどしたところで、ようやく、
闇医者に闇中絶をしてもらうために、
ホテルを予約したことがわかってきます。
そう言えばネットか何かでみた作品概要に、
妊娠中絶の話って書いてあったなと思い出しました。
勘の悪い私は、ここでようやく、
タイトルと内容を結びつけることができました。

さて、ルーマニアでは、妊娠中絶は違法行為なので、闇市場化しています。
健全な市場であっても医者と患者が対等な関係となるのは難しいと思いますが、
いわんや闇市場をや、です。
ホテル代を支払ってからの価格交渉では、後に引くにもコストがかかり、
供給者側の圧倒的有利な立場により、言い値が通ってしまいました。
仮に金を多く持っていたとしても、やられていたことでしょう。

人間のエゴをコントロールして、推進力として活用しようとする市場経済システム。
人間にエゴはないものとし、資源は計画的、効率的に配分されるものとする計画経済システム。
コントロールされないエゴの醜悪さを、まざまざと見せつけられた気がします。

妊娠をするに至った経緯や相手の男について一切触れないことにより、
想像の余地が非常に大きくなっています。
見た人によって感じ方が著しく異なるであろうところが面白いですね。
他の人の感想を知りたくなる作品です。

私の感想は、
社会システムが悪いのは、重々承知の上で、まあ自業自得かなと。
主人公は、巻き込まれた被害者でもあり、気の毒ではありますが、
妊娠した本人は、胎児を殺すわ、親友を巻き込むわ、
まったく自覚がないので、腹が空いたら飯を喰らうが如く繰り返しそうです。

胎児の父親については、特定できない可能性もあり何とも言えませんね。
仮に特定できるとすれば悪人に間違いありませんが、
この妊娠女に至っては、100人に1人の悪人を100発100中で選ぶような
勢いすら感じられ、同情の余地がありません。
憎めない感じではありますが。
ドジっ娘属性ありますが。
結構好きですがなにか。


映画中で説明はないのですが、ネットなどで調べるに、
当時、チャウシェスク大統領夫人の考案で、労働人口を増やすために、
避妊と堕胎を禁じる政策を布いていました。うん、わかりやすいよ、うん。
結果として、ストリートチルドレンがあふれました。

4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
by camuson | 2010-08-31 23:41 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 22日
リンダ リンダ リンダ 【印象度:92】
2005年の日本映画。レンタルDVDで見ました。

前知識ほぼなしで見ましたが、
お話としては、
女子高校生4人の急造バンドが、
高校文化祭で、
ブルーハーツの「リンダ リンダ」を披露しようと、
猛練習したりするという、
知っていたらスルーしてしまいがちな内容で、

更に、ボーカルは韓国からの留学生という、
駄作街道まっしぐらというか、駄作無双というか、
そんな感じです。


横道にそれますが、
ブルーハーツが流行ったとき、
私はリアルタイムで高校生でしたが、
朴訥な感じがあまり好きにはなれませんでした。
しかし今となっては、唱歌として再評価しているところで、
日本語がはっきりしていて、思わず口ずさんでしまいます。
聴きたくないけど歌いたくなるカテゴリー
における、ひとつの完成形と言えます。


話を元に戻しますが、
冒頭に述べたとおり、駄作臭のきついプロットにもかかわらず、
こんなに面白い映画を創れてしまうというのは、
ちょっとした魔法を見たような感覚です。

各シーンにおいて、人と人との関係により生じる
「空気」であったり、「間」であったりが、
ごくごく自然に再現できてるんですよね。
各役者が下手な芝居をせず、役になりきり、
キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

また、そのシーンが持っている味が出尽くすまで、
ギリギリまで引っ張ってから次に繋いでいくので、
空回りとか、上滑りとかが全くなく、
着実にヒットが重なっていく感じです。

出演者とスタッフ間において、
そういった作品に対する姿勢や意識が、
高いレベルで共有できているのが感じられ、
監督の並々ならぬ才能を感じました。
同監督の別の作品もぜひ見てみようと思います。

リンダリンダリンダ [DVD]
by camuson | 2010-08-22 12:35 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 18日
おろち 【印象度:30】
2008年の日本映画。レンタルDVDで見ました。

梅図かずおの原作漫画は小学生のころ、
たぶん1巻だけ読んだのだと思います。
他は忘れてしまいましたが、
「姉妹」のエピソードはトラウマ的に強烈に記憶に残っています。

さて、本作品についてです。
暑い日が続くので、ホラー作品でも1本と思いセレクトしました。

屋敷の中のシーンが大半で、
セットは、きちんと作っているようですが、
映像として、重々しさ、禍々しさがないというか、
狂気が漂ってないというか、
なので、まったく怖くないんですよね。


あと、尺の都合もあるのでしょうが、
ひたすら間延びしていて、テンポが悪く感じました。
また、おろちの役割がほとんど意味不明です。
おろちが前面に出てきてしまったことで、
恐ろしいエピソードにキレがなくなり、
非常にまぬけに感じてしまいました。

原作と同様オムニバス形式で3つくらいのエピソードを
テンポ良くつなげていけば、それで十分で、
おろちの狂言回しとしての立ち位置もはっきりして良かったのでは?
と思ってしまいますね。

個人的な嗜好の範疇になりますが、
おろち役には、透明感のある美少女を選んでほしかったところです。

また、子役の使い方も、キャストの段階から含めて、
もう少し気を使ったほうがいいのではないかと感じました。
ホラーであれば、子供に下手に演技をさせなくても、
効果的に使うことはいくらでもできるわけで、
スタッフの手腕が問われますよね。


とはいえ、収穫もありました。
映写機で一時停止をすると、
ライトの熱でフィルムが焼けてしまうらしいことがわかったのは、
収穫でした。

収穫のついでに思い出してしまいましたが、
映画の中で、映画を扱うというのも、
新鮮味がない割りに、ハードルだけが上がって、
あまりいいことないような気がするんですけどね。まあ蛇足です。

おろち [DVD]
by camuson | 2010-08-18 18:17 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 18日
雨月物語 【印象度:88】
1953年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで観ました。
溝口作品は初めてです。

戦国時代。
人が集まる町では、節度ある町民たちによって、
繁栄が保たれているものの、
農村は落ち武者の襲撃に会い、
道中は賊が跋扈する混沌とした世界設定。

時代の動乱の中、農村に暮らしながらも、
野心を胸に、動かずにはいられない男たちと、
平和と安定を望む女たちを描いているのですが・・・

最終的に女の生き方の強さを、まざまざと感じさせる作品ですね。
常に焦燥感に駆られて足掻いている男の生き方ってなんなの的な。

あと、とにかく、映像がすばらしいです。

農村から町に向かう道中、船で漕ぎ進む先の霧に煙る水面の幻想的風景。
主人公が迷い込んでしまう、朽木屋敷での妖艶な誘惑。
直接的な表現を排して、なお妖しく艶やかなところは、
海外作品では、なかなか見られない日本映画の真骨頂でしょうか。
シーンのつなぎでの地を這うカメラワークは印象的でした。
また家屋内での、蝋燭を光源とした光と影の繊細なコントラスト。

白黒映画で、これだけ幻想的魅惑的表現が可能なのかと驚きました。
日本映画のスペクタクルに付き物の安っぽさが微塵も感じられないことも驚きでした。
もう、日本映画は新作でも半分は白黒でいいんじゃないかと思ってしまいました。

雨月物語 [DVD]
by camuson | 2010-08-18 00:14 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 08月 01日
二十四の瞳 【印象度:60】
1954年の日本映画。モノクロ。レンタルDVDで見ました。

1952年に原作が発表されて以来、現在に至るまで、
反戦映画の代表作として、映画、TVドラマと
数多くの映像化がなされている作品です。

今まで、どの作品も一度も見たことがなかったので、
中でも評価が高く、終戦の余韻が残る中で最初に映像化された、
本作を鑑賞することとしました。

小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、
時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、
フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、
思わずため息がこぼれます。

しかし、長い作品です。
二時間半という時間が非常に長く感じられました。

前半、子供たちに、子供らしさを演じさせてしまっていて、
本来子供が持っている自然な生き生きとした勢いが感じられず、
これが、延々と続くので、参ってしまうのです。

後半、教え子達も戦争の波に巻き込まれていくのですが、
淡々と巻き込まれていく様子が、淡々と描写されていく感じです。
個々の悲劇に対する感情移入よりも、
元教師から見た若干俯瞰的で、間接的な描写で、
冷静に戦争の無情さを表現しているのは、よいと思います。

後でキャストを確認したときに、天本英世や清川虹子、浦辺粂子など、
後の妖怪級が何気なく出演していたことに気づき、
それが一番の驚きでした。まったく気づかなかったので。

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]
by camuson | 2010-08-01 15:22 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 31日
勝手にしやがれ 【印象度:65】
1959年のフランス映画。モノクロ。レンタルDVDで見ました。

主人公の自動車泥棒が、追ってきた警官を銃殺し、
指名手配されながらも、ほれた女を口説いて、というような話。

序盤、主人公が車に乗って悪態ついてるところは、
時代と国を隔てても、なんら変わらないものだと面白く見ていたのですが、

銃を撃つシーンのカット割が非常に悪くて、
誰が誰を撃ったのかもわからないくらい。雑な感じ。

その後は、若干ねちっこい男と女のやりとりの雰囲気を
楽しめるか楽しめないかという感じ。

フランスで起こったヌーヴェルヴァーグの記念碑的作品と言われていますので、
発表当時は、斬新だったのだと思いますが、
半世紀経った今見ると、驚きがないですね。
ふいんき(なぜか変換できない)がすべてなんでしょうね。
パリの街の雰囲気は悪くなかったです。

勝手にしやがれ [DVD]
by camuson | 2010-07-31 12:58 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 28日
それでもボクはやってない 【印象度:86】
2007年の日本映画。レンタルDVDで見ました。

痴漢冤罪の現状に基づくフィクション作品。
日本の刑事裁判システムの歪みが痛いくらいに示され、
2時間半という長さを全く感じないくらい、引っ張り込まれました。

非常に興味深いけれど、見ていてあまり楽しくない映画です。
でも、かなり衝撃的です。

作品の真実性については、素人には判断しづらいですが、
ネットなどで調べた範囲では、真実性に対する反論はあまりなさそうですね。
脚色・演出はあれど、議論のきっかけになれば成功でしょう。


さて、
冤罪の最良かつ唯一の回避方法が、
現場から離れる(逃げる)しかないという現実。
それは結局、実際の痴漢が普通に取る行動なわけで、
ということは、
実際の痴漢は逃げるので逮捕される確率が低く、
痴漢をしていないと自信を持って、その場に残った人は、
反論は一切聞き入れられずに、逮捕・拘留されるため、
有罪になる確率が高いという、
結果的に、犯罪抑制型ではなく、
犯罪推奨型・犯罪放置型のシステムが出来上がっています。

警察、検察、裁判所のスクラムで、そうなっているようですが、
わざとやっているというよりは、
社会を良くすることに対して、ほぼ無関心で、
目先の点数稼ぎが最大の関心事であるところが原因だと思われます。

本作品では描写はありませんが、彼らは、点数稼ぎのために、
痴漢被害者が「違うかも知れない」と何度言っても聞き入れず、
「後戻りはできない」などと、なかば脅迫することもあるようです。
(ソース:夕刊フジ特捜班「追跡」~痴漢冤罪の恐怖~あなたも犯人に

もはや痴漢被害者ですら、彼らにとっては、点数稼ぎの道具の一部と推測されます。
まったくもって、わかりやすいのが、彼らの唯一の取り柄と推定されます。

その唯一の利点を活用して、社会利益に還元すべく、
彼らの最大関心事である点数稼ぎのベクトルと、
社会が良くなるベクトル、
この2つのベクトルの向きを、
逆向きから同じ向きに変えてあげれば、
社会が劇的に変わるのではないでしょうかっ?!
(これは大発明かもです。)


(で、以下は誰でも考えつくことですが・・・)
痴漢事件は単発で見れば、性犯罪の中でも最も軽い部類だと思いますが、
問題なのは、非常に常習性、再犯性が高いこと、および、
その過程でエスカレートする可能性があることだと思います。

さて、審判が見ていないときに起こったいざこざに対して、
一方の選手に対して、一方的に一発レッドカード(逮捕・有罪)を出せば、
もはや試合(社会)は壊れて収拾が付きません。
状況によって注意またはイエローカード(記録)どまりにしておき、
累積イエローカードはレッドになるような仕組みを作れば、
常習性の高い痴漢犯罪の特性と非常に良くマッチングします。
常習者は捕捉されて、冤罪は激減し、
場合によっては、イエロー累積による抑止効果も期待できるかも知れません。
試合をコントロールするとはこういうことですよね。


まとめますと、
そこらへんに転がっている国民のアイデアをうまく集めて、
うまく仕組みづくりをしてあげて、
彼らの点数稼ぎのベクトルが社会が良くなるベクトルと
うまく同じ方向になるように設定してあげること、
またすぐに方向がねじれてくるので、その都度直してあげること、
これがポイントだと思います。

それでもボクはやってない スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
by camuson | 2010-07-28 20:51 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 18日
エクソシスト 【印象度:80】
1973年のアメリカ映画。オカルト・ホラー。
2000年のディレクターズカット版をレンタルDVDで鑑賞しました。

悪魔に取り憑かれた少女がスライムを吐いたり、
逆さ蜘蛛歩きをするシーンは、あまりにも有名です。
私もそのイメージしかなかったので、
古典としてきちんと見ておくべきだなと思った次第です。

イラクの遺跡発掘現場から始まり、
実直で生真面目なシーンが続きます。

話の展開は、遺跡から甦った悪魔が少女に憑依し、
その悪魔を祓うべく、悪魔とキリスト教神父が、
壮絶な精神戦を交わすというものです。

ホラー作品としては、静かで、暗く、厳かで、格調高く、
演出過多に陥っていないところがいいのですが、
今の感覚で見ると、もう少しエンターテインメントとして、
色気があったほうが楽しめるかな、とも思いました。

ただ、サブリミナル的に入ってくる映像は、
作品の厳かさを損なっていると感じました。
ディレクターズカット版で追加されたようですが、
余計でしたね。

エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]
by camuson | 2010-07-18 13:22 | 映画 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 17日
動くな、死ね、甦れ! 【印象度:75】
1989年のソ連映画。監督はヴィターリー・カネフスキー。
1990年カンヌ、カメラ・ドール(新人監督賞)受賞作品。

早稲田松竹で同監督作品を3本立てでやっていたのですが、
さすがに勤め人が平日に3本は無理なので、
21:00 からラスト1本の本作のみ見ました。

前情報がない状態で見たのですが、
白黒映画で、かつ、フィルムの痛みが激しいことから、
1930~40 年代の作品と思いこんで見ていました。

後で調べたところ、1989年と比較的新しい作品でした。
作者(1935年生まれ)の幼少時の風景や空気を再現するために、
その時代に入り込んで撮影したかのように仕立てる。
トリッキーとも取れますが、それを凌駕する、映像の凄みを感じました。

主人公の少年が住むのは、炭坑と収容所の村。
地面はぬかるんで、泥の上に人が集まり暮らしていて、
舗装された道はなく、自動車もなく、
辛うじて他の町に通じる鉄道があるだけです。

住人は、汚れた長屋に、寄り集まって暮らしており、
人は多く、叫び声や喧噪はあれど、活気がまるでない。

この「不毛」感は、凄いです。

主人公も通っている学校は意外と立派でした。
公権力の出先として力を入れた結果でしょうか。

村の外れでは、抑留された日本兵が強制労働をさせられていて、
よさこい節や、炭坑節が聞こえてきます。
おそらく作者の望郷には欠かせないものなのでしょう。
よどんだ世界の中で、どこか優雅で達観した響きを感じました。

そんな中、主人公の少年は、鬱屈感からか、
学校のトイレの汚物槽にイースト菌を入れて溢れさせたり、
列車を脱線させたりの問題を起こします。
その都度、一緒の長屋に住む少女に助けられます。
この少女は、非常に賢く、したたかに生活に順応していて、
なかなかの人物だなあと感心してしまいました。
この作品の中では、唯一の光と言える存在です。


時代の停滞した陰鬱な空気を再現して、
フィルムに封じ込めたことは評価できるのですが、
娯楽としてみると、正直、それほど面白くはないです。
娯楽性の高いロシア映画も見てみたくなりました。

ヴィターリー・カネフスキー DVD-BOX
by camuson | 2010-07-17 21:17 | 映画 | Trackback | Comments(0)