1987年の作品。
新興宗教の二代目跡目継ぎ争いを巡る謎に、
ヨガの達人であり、占い、霊術、奇術にも長ける
ヨギガンジー先生と、その弟子二人が挑むサスペンスです。
1987年はオウム真理教が設立された年ですが、
新興宗教が社会的なブームになっていたのでしょうね。
本作品は社会問題を抉るというスタンスはなくて、
あくまで旬の素材として料理している感じです。
楽しくて読みやすく、一気に読むことができました。
この作品の唯一無二の特徴として、とあるギミックが挙げられます。
私は途中で気付くことができましたが、これは面白いですね。
最初から注意深く読んで、作品の構造を頭の隅に置いておけるかが、
分かれ道になりそうです。
話の展開は、ユニークで、想像できませんでしたが、
展開が早くて、面白いのだけれど、あっさりし過ぎている気がしました。
作者の力量は確かなので、少し重たい作品も読みたいですね。
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)